15市場の動向を説明、好調な韓国市場は来年も
日本政府観光局(JNTO、間宮忠敏理事長)は2月4日、東京都港区の八芳園で「第8回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開いた。重点15地域の海外事務所長らが、各地域での訪日旅行に対するニーズなどを報告する市場説明会には、観光関係者など400人ほどが集まった。
2010年の韓国の海外旅行市場は、景気回復の影響を受け大きく回復し、出国者数は32・7%増となった。とくに景気に左右されやすい女性の回復が顕著で、年齢別では50、60代の層が大きく増加。現在、韓国人の海外旅行先では日本が2位だが、伸び率では60・9%増でトップ。ソウル事務所の吉田隆所長は「来年も堅調な経済成長が期待できるので、海外旅行ブームは続く」と予想。
マイナス要因としては、円高を挙げ、円安だった07年と比べると日本の物価が2倍に感じるという。また、韓国人には4泊5日以上の旅行は不人気で、2、3泊くらいの生活体験型旅行の人気が高いという。
台湾の海外旅行市場は、10年の出国者数が940万人を超え、人口の4割以上が海外旅行に行っている計算になる。なかでも、日本は行きたい国、好きな国の1位。旅行者の7割がリピーターで、5回目以上という人が25%以上の好調ぶり。ただ、中国大陸との直行便開始による日本便の減少がマイナス要因。また、団体旅行からFITへの移行が顕著だが、大家族の台湾の場合は、家族旅行でも10―30人単位という。
日本観光協会台湾事務所の井久保敏信所長は、(1)画一的でないプレゼン(2)セミナーや商談会は1時間(3)台湾人目線での広告などをアドバイス。「日本が売りたいものと、台湾が買いたいものはイコールではないので、台湾人の意見を取り入れるのがベスト」と話した。
中国市場は、訪日旅行の需要が高く、日中関係の悪化が及ぼす影響は一時的であることを紹介。とくに女性人気が高く、20、30代の女性が訪日客の3割を占め、ショッピングとグルメが目的の上位にランクされた。団体旅行ではゴールデンルートに加えて北海道人気が定着。個人旅行では4、5日ぐらいの日数が人気という。