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冬期一時金0.34カ月増 「厳しい状況続く」

2011年2月21日
編集部
渦古隆委員長
渦古隆委員長

 サービス・ツーリズム産業団体連合会の観光・航空貨物委員会(渦古隆委員長)は2月1日に会見を開き、1月28日の第10回中央委員会で確認した2010年秋闘のまとめや、11年春季生活闘争方針などを報告した。

 渦古委員長は「経済が回復傾向にあり、前年実績をクリアしている企業も多いが、リーマンショック以前の水準まではまだまだ戻っていない。企業側も財布の紐をゆるめないので、11年春闘など厳しい姿勢で臨んでくるだろう」と語った。

 10年秋闘は、各企業が回復傾向にありつつも産業全体の環境は引き続き厳しく、冬季一時金交渉に全力を傾注し、30組合が要求を掲げ秋闘を組織。11月30日までの決着を目指した結果、同日までに10組合が合意・妥結し、12月20日までに14組合が合意した。集計の行えた23組合の単純平均カ月数は1・247カ月で前年同期から0・342カ月増加。10年春季生活闘争で合意済みなどを含めた54組合の平均は1・419カ月で前年を0・358カ月上回った。年間の一時金は、2・700カ月となり、夏季一時金が前年を下回った影響により前年とほぼ同水準となった。

 一方、11年春季生活闘争で連合が掲げる要求は(1)正規労働者の賃金水準の維持と改善、年収維持のための一時金確保(2)雇用確保を前提とした契約社員やパートタイマーの賃金改善など均等・均衡待遇の実現(3)産業全体の賃金の底上げを目指した最低保障賃金の協定化(4)年間総実労働時間の縮減によるワーク・ライフ・バランスの実現(5)男女平等の推進・裁判員休暇制度・60歳以上の雇用確保などのワークルールの取り組み(6)雇用の安定的な確保に向けた取り組み(7)連合が機能強化をはかる共闘連絡会議への参加や、掲げる制度要求の実現――の7項目を柱にした。

 また、中長期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現に向け、新しく「指標」を活用。賃金データをもとに、35歳年収で「Aランク500―549万円」「Bランク450―499万円」「Cランク400―449万円」「Dランク350―399万円」「Eランク300―349万円」「Fランク299万円以下」の6つにランク分け。全組合が画一的に当面の目標として「35歳年収550万円」を目指すのではなく、現実的に5年以内の間に1つでも上のランクに到達し、最終的に「35歳年収550万円」を目指していく。

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