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〈旬刊旅行新聞6月11日号コラム〉第29回女将サミット2018鹿児島 「働き方改革」など関心の高いテーマも

2018年6月12日
編集部:増田 剛

2018年6月12日(火)配信 

第29回女将サミット2018鹿児島は7月4日に城山ホテル鹿児島開催される

 

今年の全国旅館おかみの集いは7月4日に、鹿児島県鹿児島市の城山ホテル鹿児島(旧:城山観光ホテル)で開催される。29回目を迎える今回の運営委員長は有村青子女将(指宿シーサイドホテル)と下竹原成美女将(指宿白水館)の2人体勢だ。大会テーマは「明治維新150年~熱き女将の想い・伝える、つなぐ、薩摩から~」。基調講演には作家の林真理子氏が登壇する。

 分科会では旅館女将に関心の高い①「働き方改革」②「省エネ」③「補助・助成金」④「危機管理」――の4テーマを用意。そのほか、大島紬のファッションショーや企業展示見学、懇親パーティー、さらに翌5日には「西郷隆盛ゆかりの地を巡る」エキスカーションも企画している。JR九州の観光列車「指宿のたまて箱」にも乗車する。ぜひ、多くの女将さんに参加してほしいと思う。

 今年の観光業界は九州で多くのイベントが行われる。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会は、先日の6月5日に熊本県熊本市内で総会を開き、翌6日には福岡県福岡市で1100人を超える旅館関係者が集う全国大会を開催した。2年前の2016年4月に発生した熊本地震、そして昨年は大分県や福岡県などを中心に九州北部は激しい豪雨に襲われた。また、霧島連山・新燃岳の噴火など、このところ九州は大きな自然災害による被災が続いていた。

 観光業界の人たちが積極的に被災地を訪れ、その地域に滞在してさまざまな消費をすることが、復旧・復興への支援にもなる。今年10月30日には、全旅連青年部の全国大会が長崎県長崎市で開かれる。こちらも熱い大会になりそうだ。

 「全国旅館おかみの集い―第29回全国女将サミット2018鹿児島―」まで、あと1カ月を切ったなか、11年前の「第18回全国女将サミット2007京都」で運営委員長を務めた大村成子女将(さこや)が6月5日、亡くなった。

 この年の女将サミットは、とても印象的な大会として記憶に残っている。大会当日に配布する本紙の1面特集として、私は事前に奈良県・吉野山のさこやを訪れ、大村女将と女優の三島ゆり子さんとの対談を行った。対談後にも大村女将と色々な話をした。なかでも「お客様の名前を忘れてしまったとき、いかにして会話の中で相手の名前を聞き出すか」など、女将が苦境の中であみ出したテクニックを、ユーモアを交えて語るチャーミングな姿を思い出す。帰りには朝早くに大村女将が「柿の葉寿司」を注文してくれ、私は東京に向かう電車の中で食べた。

 京都で開催された女将サミットでは、2日目のエキスカーションが一つの目玉だった。大徳寺や輪違屋の見学、菊乃井本店での食事会など慌ただしいスケジュールのなか、私は大村女将と同行し、タクシーで移動した。「参加した全国の女将さんに『来て良かった』と思っていただける舞台を提供したい」と奔走する大村女将の真剣な姿を見ながら、「日々お客に対してもこのようなことを考え、動いている人なのだ」と、女将という仕事の一端を垣間見た気がした。毎年女将サミットに元気なお姿を見せてくれていたが、今年はその姿を見ることができないと思うと寂しい。謹んで大村成子女将のご冥福をお祈りいたします。

(編集長・増田 剛)

 

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