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「提言!これからの日本観光」「観光立国」実現への課題

2018年6月16日(土) 配信

5月8日、石井啓一国土交通大臣に意見書を提出

日本商工会議所が呼び掛け全国515の商工会議所が観光推進ネットワークを構築して「観光立国」に向けて互いに連携協働し、その営みを続けている。昨年このための資料を得るべく、全商工会議所を通じて、各地の観光の実態調査を行った。その結果、「観光立国」実現へ順調な歩みを進めている反面、さまざまな課題も顕在化してきている実態が明らかになった。そこで、例年発出している日本商工会議所の「観光提言」や国などへの「要望」活動にもこの課題解決策とその前提を示すとともに、各会議所も緊急対策として、課題に取り組むこととした。

 その課題とは、①観光の地域による偏りが目立ってきたこと②内外観光客ともリピーターの割合が高まるなか、その受入体制が不充分なこと③観光産業が観光の経済効果を充分地域に取り込めていないこと④観光安全に懸念が残ること――の4点が指摘される。なので、今年度の商工会議所などの観光への活動は以下の着眼点に立って進めるべきと提案している。

①観光の地域分散をはかるためにオールジャパン観光の実現へ

 三大都市圏(富士、鎌倉などの特定観光地を含む)への観光の偏りが目立つため当該地域の交通機関の混雑が激化、観光効果を減殺するとともに、地域住民の日常生活に支障をきたしつつある。また、集中地域の宿泊機関の需給が逼迫し、地域への用務、私事旅行も季節、週次第では困難となってきた。観光資源が幅広く分布している日本の特性を生かし、観光の地域的偏りを是正すべく、日本各地を万遍なく観光する、いわば「オールジャパン観光」の実現を期する。前提として交通インフラ整備、地方空港、港湾整備が必要。

②ワイドな観光へ

 すでに外国人客の過半数はリピーターであり、国内客も主な観光地へのリピーターの割合が急増している。この場合観光資源は再見によりその価値が逓減するため、新観光資源の開発のほか、既存資源への視点、手法を変え、新しい魅力を引き出すような観光のワイド化が必要となる。前提として産業観光のようなテーマ別観光、夜間早朝観光など時差観光の展開などが考えられる。

③観光産業の魅力ある近代産業への脱皮を

 観光の経済効果の受け皿となる宿泊供食など多様な観光産業の経営の近代化効率化が急務である。観光の経済効果を受け止め地域の資金循環を盛んにするため伝統産業が多く、近代化に立ち遅れのみられる観光産業の脱皮が急がれる。前提として人材育成、IT、IoT導入、産業間の連携による観光システム産業構築が期待される。

④観光の安全確保

 予想される大災害への観光地の防災対策、観光客の避難保護対策への取り組みが遅れているところが多い。前提として安全総点検と総合災害対策確立が望まれる。  

 各項目に共通して「情報」の重要性を再確認し、その発受信システムの確立こそが緊急の要請といえよう。

コラムニスト紹介

須田 寛
日本商工会議所観光委員会共同委員長
須田 寬 氏
 
 
 
 

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