国宝・姫路城修理を公開、3月26日 見学施設がオープン
世界文化遺産の国宝・姫路城(兵庫県姫路市)で行われている大天守大修理のようすを見学できる施設「天空の白鷺」が、3月26日にオープンした。世界文化遺産修理の常時公開は日本初で、2013年度末まで行う予定。工事は14年度末の完了を目指す。
姫路城は1956年から8年かけて350年に一度という昭和の大修理を行ったが、すでに半世紀が過ぎ大天守の軒や懸魚(げぎょ)の漆喰が剥離し、瓦が破損するなど傷みが目立ってきた。このため、8万枚を超える瓦の全面葺き直しや屋根の目地漆喰の全面修復、壁面漆喰の修復、耐震補強など、2009年から保存修理工事に着手した。
「天空の白鷺」は大天守を高さ52メートルの素屋根ですっぽり覆い、中に8階建ての見学施設を設けたもので、8階と7階に見学ホールを設置。高さ3メートル、幅6メートルのガラス窓から修復のようすを見学する。
窓からは大天守の最上階(5層部分)の大屋根や唐破風、千鳥破風、漆器壁などが間近に観察できる。
時期によっては、専門職人による漆喰の修復や瓦の葺き直し、釘や銅線を使った瓦留めなどの修理のようすも見られるという。
映像やパネル、写真、模型などを使っての展示も行われ、城の全容と工事内容が分りやすく紹介している。ホールからは姫路市街地も一望できる。展示室までは、1階のエントランスホールからエレベーターで昇る。
入館料は大人200円、子供100円。入城料は別途400円(子供100円)が必要。
展示室までのエレベーターは2基しかなくシーズンは混雑も予想され、団体は6カ月前、個人は1カ月前から予約も受け付けている。ちなにみ2月末の団体予約状況(8月末までの期間)は、バス2700台(約9万5千人)。
問い合わせ=電話:079(287)2013。