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“復興支援”を柱に桜まつりを実施、みちのく三大桜名所

2011年4月26日
編集部
北上展勝地
北上展勝地

 岩手県北上市と秋田県仙北市、青森県弘前市の3市は共通の観光素材の桜を、みちのく三大桜名所として売り出している。今年は3市とも先の東日本大震災の復興支援を柱にした祭りとして開催する。

 北上市の桜の名所は北上川河畔の「展勝地」。1920年に和賀展勝会によって桜の植栽事業が行われ、翌年開園した。293ヘクタールの園内には4月中旬―5月上旬にかけてソメイヨシノやヤマザクラなど約150種の桜が咲き乱れる。珊瑚橋から2キロに渡り続く桜並木を観光馬車で巡るのも良い。今年の桜まつりは名称を「がんばろう岩手!展勝地の桜」として4月15日―5月5日まで開催。会場内で被災者への義援金を募るほか被災地から北上に避難している人、被災地からの観覧招待も検討している。さらに4月29日には復興の願いを込めた北上鬼剣舞連合会による舞いを予定している。

 仙北市の桜の名所は角館の「武家屋敷通り」と「桧木内川堤」。「武家屋敷通り」はかつての中・下級武士の侍屋敷である旧家が建ち並び、その黒板塀を覆うようにシダレザクラが咲く。黒塀と桜のピンクのコントラストが鮮やか。「桧木内川堤」は約400本のソメイヨシノの並木が約2キロに渡り続く。これらは1934年に、その前年の桧木内川左岸堤防築堤と当時の皇太子明仁親王の生誕を祝し町民によって植えられたもの。毎年4月下旬―5月上旬にかけて鮮やかに咲く(ソメイヨシノはシダレサクラより2日ほど開花が遅い)。今年の桜まつりは名称を「がんばろう!東北 角館の桜」とし、4月22日―5月5日まで開催。駐車料金の一部(普通車200円、中型車400円、大型車800円)を義援金に充てるほか例年午前零時までのライトアップを午後10時までに短縮、さらに電飾の距離も短くする。

 青森県弘前市の桜名所は「弘前城」(弘前公園)。4月下旬―5月上旬にかけてソメイヨシノを中心にシダレザクラ、ヤエザクラなど50種以上、約2600本の桜が園内を埋め尽くす。古城の白壁と老松の緑が相まって一層、美しさを醸し出す。

 「弘前さくらまつり」は4月26日―5月5日まで開催。期間中のイベントなどは例年通り実施するが、節電のためライトアップの距離を短縮予定のほか被災地にバスで迎えに行き弘前の桜を観賞してもらうなどの受け入れも予定。

 同市の葛西憲之市長は「日本一と自負する桜はさまざまな天変地異や苦難を乗り越えながら毎年鮮やかに咲く。今回被災された地域も必ず復興できる。この思いを、桜を通して被災地に届けたい」としている。

【野村 一史】

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