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No.279 ぼうさい朝市ネットワーク - 災害時は隣から支援

2011年5月21日
編集部

ぼうさい朝市ネットワーク
災害時は隣から支援

 「ぼうさい朝市」は平時から、防災訓練を兼ねて行われる特産品直売展。「救援物資」に見立てた美味しい特産品が全国から集まり、人を呼ぶ。全国各地の商店街をネットワーク化し、持ち回りで開催。そのネットワークが今回の大震災で活きた。混乱する被災地に対して隣から支援。山形県酒田市を拠点として、被災した宮城県南三陸町に、救援物資が届けられた。発案者の1人、早稲田エコステーション研究所の藤村望洋代表研究員に取り組みを聞いた。

【沖永 篤郎】

「顔の見える関係の構築、地域間交流の復活へ」

 「全国から美味しい救援物資がやってくる」。ぼうさい朝市の告知ポスターに書かれてある通り、朝市の会場には、山形県酒田市の芋煮や、鹿児島県鹿児島市の豚汁、長野県飯山市のりんご豚まんなど、救援物資に見立てた全国各地の特産品が並ぶ。この美味しい食べ物にひかれて多くの人が集まってくる。

 地元商店街のメンバーが中心となり販売。町内会や、自治会なども協力する。さらにイベントの趣旨に賛同する、全国の商店街ネットワークのメンバーも参加。イベントはネットワークの商店街の持ち回りで開催し、お互いのまちを行き来しあう。イベントを通じて商店街のメンバー同士が交流。顔の見える人間関係を築くことができる。

藤村望洋氏

 平時のイベントは、各地の特産品を美味しい救援物資として提供。商品を販売するテントは災害時にも使えるもので、この設置、片付けも災害時を意識して行う。そのほかプロの料理人が郷土料理をふるまったり、学生たちが地元の農作物を販売したり、ロックバンドが地震の揺れを再現したりと、企画も盛りだくさん。一般の参加者が美味しく、楽しめる工夫を凝らしながら同時に、防災セミナー、防災訓練を実施する。

 藤村氏は「防災訓練は何回もやらないと、いざというとき機能しない。美味しい朝市を兼ねた防災イベントなら何度開いても楽しめる」と話す。

 

※ 詳細は本紙1419号または日経テレコン21でお読みいただけます。

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