支払いは2カ月後。話題の旅行アプリ 需要創出にも期待したい
2018年6月29日(金) 配信
旅に出る! 後払いで。――。エボラブルアジアとバンク(光本勇介CEO)が共同企画した後払い専用旅行アプリ「TRAVEL Now」が話題だ。6月28日(木)・午前10:00にサービスを開始し、5時間足らずで1日の販売上限に達したという。10万円までの旅行商品であれば、アプリ1つで購入でき、代金は2カ月後に支払えば良い。審査や手続きは不要だ。
斬新なサービスは、需要を新たに創出するのか? またはパイの奪い合いに留まるのか? コンテンツを提供する各事業者からの期待にも応えてほしい。
バンク社は昨年、中古品の換金アプリ「CASH」をサービス開始から2カ月で、インターネットサービス大手のDMM.comに売却し話題となった。スマートフォン端末用アプリ「CASH」は、手持ちのアイテムを写真に取ると、瞬時に金額を査定し、現金化できる仕組み。現金を受け取ったあとにアイテムを発送できることも型破りだが、ユーザーから支持を得た。
新サービス「TRAVEL Now」は、航空券やツアー商品、アクティビティなど、多様な旅行商材を持つエボラブルアジアと共同で企画した。
予約サイトのOEM提供で旧成長を遂げたエボラブルアジアは昨今、BtoC向けサービスの強化に取り組んでいる。メタサーチ(旅行比較サイト)が台頭し、ホテル・旅館、航空会社の直販も進む。在庫の確保が必須となるOTA(オンライン旅行会社)のビジネススタイルだけで、オンライン旅行分野のシェアを拡大することは困難となりつつある。構想力を有するベンチャー企業と協業し、斬新なサービスを投入することで、競争力アップを目指す。
奇しくも、サービス開始となった6月28日(木)には、LINEトラベルのローンチも発表された。こちらは、LINEのアセットを活用したメタサーチという位置づけ。日本人出国者数は2年連続で増加しているが、国内は横ばいが続き伸び悩んでいる。斬新なサービスは今後、需要を新たに創出できるのか? またはパイの奪い合いに留まるのか? ホテルや旅館、アクティビティ販売業者など、コンテンツを提供する地域の観光関連事業者らの眼差しは意外と冷ややかかもしれない。