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国観連、日観連 合併へ 来年4月に新団体

2011年7月1日
編集部
「今回こそ実現へ」意欲を見せる佐藤会長(左)と近兼会長
「今回こそ実現へ」意欲を見せる佐藤会長(左)と近兼会長

 国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1112会員)と日本観光旅館連盟(近兼孝休会長、2972会員)が来年4月を目途に合併・新団体設立を目指し動き始めた。近年、会員減少に悩んできた両団体だが、合併により4千会員ほどに増大。この会員数を武器に業界の発言力の強化を狙う。従来から取り組むさまざまな事業において、さらなるスケールメリットも見込める。6月24日、日観連の総会後に行われた記者会見で「頓挫することなく新団体設立を実現させたい」と佐藤国観連会長、近兼日観連会長は意欲を見せた。

【沖永 篤郎、伊集院 悟】

「実現すれば4000会員」

 6月24日に開かれた日本観光旅館連盟の通常総会で、国際観光旅館連盟との合併が承認された。1948年、訪日外客増大に対応し、外貨獲得を目的に発足した国観連。1950年、国鉄指定・推奨旅館として発足した日観連。発足当時の目的は違うが現在、観光振興を目的とした旅館団体であることは同じだ。合併については約20年間にわたり紆余曲折してきたが、国観連は既に6月14日の総会で承認されており、日観連総会の承認をもって、正式に決まった。今後は10月に両団体間で新設合併契約の締結、2012年4月に新団体の設立を目指す。

 ただ、個別の具体論はこれから詰めることとなり、両会長はそれぞれ「両団体の寛容と忍耐が求められる」(佐藤会長)、「互いの団体の理解が必要」(近兼会長)と話す。

 日観連総会後に開かれた両団体の会長による記者会見では、合併の趣旨や目的、会費、今後の合併に向けてのスケジュールなどを説明。両団体は新団体の業務運営方針や、制度設計などについて協議を始める。今後のスケジュールは、両団体が一般社団法人への移行申請・許可を得たうえで、新設合併契約を締結。12年3月をもって両団体が消滅、4月1日に新一般社団法人を設立する。

 懸念となっていた会費については、当初2年間に限り、旧団体の会費額とする。重複会員は国観連の会費。3年目からの統一会費は、客室数に応じ最低1万5千円から最高12万5千円まで設定する。ただし、ホテル営業客室は旅館業客室の半額とする。

 近兼会長は「会員の調整が大変難しかったが、北海道支部と四国支部では100%の承認、難しかった中国支部でも90%の承認を得られた。政府に意見提言などできる圧力のある団体を目指したい」と抱負を語った。

 佐藤会長は「旅館業界の地位向上をはかりたく、そのためには一定の数が必要」と合併の目的を話し、「営業力と企画力のある、旅館にとって使い勝手の良い組織にしたい」と語った。

 また、合併へ反対の会員については、近兼会長は日観連会員の1割弱が合併に反対し、退会したことを明かした。

 佐藤会長は国観連会員の反対意見として、「会費の差への不満」をあげた。

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