「えんむすび号」が好評、パワースポットブーム背景に
島根県松江市の玉造温泉を発着点に、出雲大社(出雲市)や八重垣神社(松江市)などを巡る毎年冬季限定の周遊バス「えんむすび号」が、昨今のパワースポットブームを背景に乗客数を伸ばしている。
同バス運行実行委員会が企画し、松江市交通局が毎年1月初旬から3月下旬まで毎日運行させている。昨年は過去最高となる1890人(前年比51・8%増)の乗客数を記録した。
今年は1月4日に運行が始まり、22日までに385人が乗車。昨年の同時期を約8%上回るペースで推移している。乗客の大半は20代の若い女性という。
バスは午前9時に玉造温泉を出発し、出雲大社や八重垣神社(松江城とどちらか選択)、まがたまの里伝承館などを巡る約6時間30分のコース。料金は大人1800円、3歳―小学生900円(2歳以下無料)。バスは出雲大社で、出雲空港の東京・大阪到着便、JR出雲市駅の特急到着便と接続する。
バス好評の要因には、パワースポットブームのほか、松江観光協会玉造温泉支部が運営するウェブサイト「たまなび」上で、ネット予約ができるようになったことも上げられる。昨年は同支部が発行し、県東部40店舗のコンビニや観光案内所、全国約160の旅行会社などに配布するフリーペーパーにもバス情報を掲載し、PRを強化した。
バスは乗車日の前日午後7時まで予約を受け付けるため、宿に到着してからの申し込みも多いという。
同支部の角幸治さんは「バスの存在が周知され、昨年あたりからは出雲空港から合流する東京のお客様が増えている」と話す。