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「長崎と天草地方の潜伏キリシタン」 世界遺産に登録決定

2018年7月11日
編集部

2018年7月11日(水) 配信

構成資産の1つ長崎市の大浦天主堂

国内18件目の文化遺産

 長崎県と熊本県天草地方に広がる12の構成資産から成る「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による第42回ユネスコ世界遺産委員会(6月24日―7月4日開催)において世界文化遺産に登録されることが決まった。国内の世界遺産としては22件目。文化遺産では18件目となる。

 長崎のキリスト教史は1550年、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが平戸を訪れたことから始まる。以来、現在まで約470年。豊臣・徳川時代の禁教令による約250年以上にわたる潜伏、そして奇跡の復活という世界でも類を見ない歴史を経て今日に至っている。

 今回の世界遺産は、そんな激動の長崎キリスト教史から禁教期に焦点を絞り、日本の伝統的宗教や一般社会と共生しながら信仰を続けた潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統とその価値を、世界に向けて発信する。

 構成資産は、天草四郎率いる一揆軍と幕府軍が1637年に激しい攻防戦を繰り広げた「島原・天草一揆」(島原の乱)最後の舞台である「原城跡」(南島原市)をはじめ、「平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)」「平戸の聖地と集落(中江ノ島)」(以上平戸市)、「天草の﨑津集落」(熊本県天草市)、「外海の出津集落」「外海の大野集落」(以上長崎市)、「黒島の集落」(佐世保市)、「野崎島の集落跡」(小値賀町)、「頭ヶ島の集落」(上五島町)、「久賀島の集落」「奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)」(以上五島市)、「大浦天主堂」(長崎市)の12資産。

 大浦天主堂を除く遺産候補の教会堂見学には事前連絡が必要。長崎市の出島ワーフにある情報発信拠点「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」では、全構成資産の情報発信のほか、教会見学時のマナー啓発や見学者の受け入れ業務なども行っている。

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