熊本、宮崎、鹿児島DCスタートへ(JRグループ)
<熊本城で記念式典、南九州から元気を届ける>
九州新幹線の全線開業に合わせて、JRグループが熊本、宮崎、鹿児島3県と連携して10月から12月まで実施するデスティネーションキャンペーンのオープニングイベントが10月8日、熊本市の熊本城を会場に開かれた。
同日は、熊本城本丸を背景にした竹の丸広場特設ステージで、くまもとお城まつりのメインイベントが開催され、城内が祭り一色となった。書道ガールズ甲子園や3県郷土芸能祭典、世界ギネスに挑戦の3千人太鼓などイベント満載で盛り上げ、3県の食を集めた「南九州くいだおれ博覧会」も開かれた。
記念式典では主催者を代表して蒲島郁夫熊本県知事があいさつ。「熊本県がバレーボールのセッター、アタッカーの役割を鹿児島、宮崎県が果たしてもらい、南九州から元気を届けるキャンペーンにしたい」と力を込めた。JR九州の唐池恒二社長も「全国のJRグループあげて3県に送客する」と決意を述べた。
このあと、熊本県宣伝部長でタレントのスザンヌさんや若手芸人も登場してDCを応援。熊本県のくまモンなど3県と関西のゆるキャラも参加して、風船を飛ばして開会を華やかに演出した。
式典には関西から近畿運輸局、JR西日本、近畿2府4県と主要都市の行政、観光団体関係者70人も参加し、相互交流強化を確認した。
一行は、同日に市内ホテルで行われた交流会にも出席。JR西日本の柴田信常務は「新幹線の全線開業で九州と関西の文化の流れができた。観光の具体的な流れをつくれば日本が元気になる」と強調した。
JR九州熊本支社の福嶋和彦支社長は「熊本と天草方面の三角駅を結ぶ観光列車『A列車で行こう』も運転を始め、阿蘇や指宿、日南へも魅力的な観光列車が走る」とアピール。そのうえで「JR九州としては関西重点で送客し、相互交流を拡大させたい」と結んだ。
JR西日本によると、新大阪―明石間の9月が前年比110%。小倉―博多間、博多―熊本間も3月から9月まで毎月2ケタ増という。関西から九州への旅行商品実績も4―9月累計で191%と大きく伸び、九州から関西も114%と増加している。JR西日本の橋本修男営業本部長は「一過性に終わらせないためにも新しい旅行テーマが必要」と提案。「人と人を結ぶ絆や企業の休暇長期化、女子旅・若者旅、教育旅行への対応が重要」と指摘した。