ウーバー×淡路島 日本初となるタクシー配車の実証実験始まる
2018年7月24日(火) 配信
ライドシェア大手のUberは7月21日(土)から、兵庫県淡路島で日本初となる「ウーバー配車アプリ」の実証実験を始めた。
島内で地元タクシーを配車できるようになる。訪日外国人は母国語で目的地を設定でき、ドライバーは専用アプリを利用することで両者の負担を軽減。訪日外国人はもちろん、島民も利用可能だ。島内の2次交通を充実し、来島者の利便性、満足度向上をはかる。
今回は、2022年度までの数値目標などを盛り込んだ「淡路島総合観光戦略」の一環として実施する。同日に開始式典を開き、ウーバーのアジア太平洋地域モビリティ事業統括本部長のアミット・ジェイン氏は「皆様と共に力を合わせ、日本初となる取り組みを拡充していきたい」と意気込みを語った。
ウーバーのスマートフォン向け配車アプリは普及が進む。世界600以上の都市で、約50の言語で使われている。日本の関西地区では、18年1~4月の間に19万回以上アプリが開かれた。このうち6割が訪日外国人によるものだったという。
地元タクシー事業向けのドライバー専用アプリでは、配車受付のほか、簡単に合流・迎車ができるようになる。
淡路島は観光振興に力を入れている。16年4月には「国海の島・淡路」として日本遺産に認定された。日本で最初にできた「国生みの島」として約1300年前の古事記に記述がある。人形浄瑠璃などの伝統文化も強みだ。
このほか、連綿と続いてきた和食文化がある。淡路島は、平安時代などに朝廷へ食材を献上していた御食国(みけつくに)といわれている。今後は、現代の御食国として世界ブランドの確立を進める。
一方、島内には課題も多い。人口はピーク時の4割ほどとなり、高齢化率も県下で最も高い。さらに鉄道が無く、路線バスも少ないなど交通網が弱い面がある。
今回の実験で、交通環境を整え、魅力ある島内をストレス無く巡ってもらえるようにする。訪日外国人が急増するなか、地域経済をけん引する観光を伸ばし、地域活性化をはかる。2022年までに、観光戦略にある外国人宿泊客数15万人の目標達成を目指す方向だ。