過去最悪のペース、全国的に震災関連倒産
帝国データバンクがこのほどまとめたホテル・旅館の倒産動向調査によると、2011年1―11月のホテル・旅館の倒産は119件で、過去最悪だった08年の123件を上回るペースで推移している。
3月11日に発生した東日本大震災の影響で、4、5月のホテル・旅館の倒産件数は2カ月連続で過去最高(2000年以降)を更新。さらに、震災関連の倒産は、4月から11月まで21件と17・6%を占める。8月以降は震災関連倒産は減少傾向にあるが、原発事故の影響も大きく、外国人観光客やビジネス需要も大幅な回復が見込めないため、「ホテル・旅館の倒産は高水準で推移していく可能性が高い」(帝国データバンク)としている。1―11月の負債総額は959億2500万円で、このうち震災関連倒産の負債額は全体の26・8%を占める256億9900万円となった。
地域別にみると、中部が31件(全体の26・1%)でトップ。次いで関東が18件(同15・1%)、東北が16件(同13・4%)と続く。震災関連倒産は東北と中部がともに7件発生。東北では倒産の43・8%を占める。近畿や四国、九州でも震災関連倒産が発生している。
また、とくに中国や台湾などアジアの玄関口となっている中部や九州では倒産件数が急増している。過去最悪の08年と比較すると、中部が25件から31件に増え、九州は9件から13件に増加した。