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土地問題解決の手段にも、「星のや 竹富島」6月1日開業

2012年2月21日
編集部
左から星野社長、上勢頭公民館長、星のや竹富島の澤田裕一支配人
左から星野社長、上勢頭公民館長、
星のや竹富島の澤田裕一支配人

 星野リゾート(星野佳路社長)は6月1日、沖縄県・八重山諸島の竹富島に「星のや 竹富島」を開業する。1月19日、都内で行われたプレス説明会で星野社長は、開業に至るまでの経緯を語った。星のや竹富島予定地(7ヘクタール)を含む、島全体の6分の1に相当する83ヘクタールの土地は、外国資本などが入り、所有者が変転する問題を抱えている。1970年、沖縄返還の動きに合わせ、本土企業が買収。一旦、島内企業の南西観光が買い戻したが、現在は抵当権が外資系ファンドに移転し、転売の可能性が出てきていた。星のや竹富島の計画は、南西観光から星野リゾートに土地問題について相談があったことから始まる。当初は星野リゾート進出に対する島民の反発もあったが、8回にわたる現地説明会を実施するなどして、理解を得ていった。プレス説明会に出席した島の自治組織「公民館」の上勢頭保館長も、途中から反対派の住民を説得する側に回ったという。星野社長は「この事業で土地を買い戻し、借金を返済し終わると、島に土地のコントロール権を渡していくスキームを提案した。収益をあげ、借金を返していくことが大事。どこまで観光が地域に貢献できるか。大きな視点で頑張りたい」と語った。

建物は島の風景に溶け込むように配慮した
建物は島の風景に溶け込むように配慮した

 星のや竹富島のテーマは「離島の集落」。重要伝統的建造物保存地区に選定されている竹富島の風景に溶け込むように配慮した。庭を有する平屋建ての48棟からなり、客室はグックと呼ばれる石垣に囲まれ、赤瓦の屋根には一つひとつ表情の異なるシーサーが鎮座する。すべての客室は南(南西)向きに建ち、南側のリビング(風の間)は全面開放し、庇で強い日差しを遮りながら、心地よい風や、外の気配を感じられる空間にした。敷地の中央には、大きくくぼんだ楕円のプールを設置。井戸を囲むように暮らしてきた島の生活文化にヒントを得た。

 料理は石垣島の漁港に揚がる新鮮な魚介類や、八重山諸島特有の食材を用いた「琉球ヌーヴェル」を提供する。島の西桟橋からの朝陽、夕陽の眺めは有名で、この案内は毎日行うほか、水牛車での朝の散歩、島民と歩く島巡りなど、さまざまな島の過ごし方を提案する。泊食分離方式で、宿泊料金は2万7千円―5万4千円(2人利用時1人料金)。アクセスは石垣島離島ターミナルから高速フェリーで10分。

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