産、官、学の視点でDMOの課題に提言
2018年8月7日(火) 配信
パソナ総合研究所(竹中平蔵所長)は7月26日(木)、東京都内でフォーラム「ツーリズムと地方創生」を開いた。竹中所長がモデレーターを務めたパネルディスカッションでは、3人の有識者が産、官、学の視点からDMOの課題に挙げられる資金運用や組織内の人材配置について提言を行った。
東洋大学の矢ケ崎紀子教授は、海外の主要なDMOの人材配置を例に、「重要なことはマーケティングの修士課程を持つ1、2人が主要なポストに就くこと」とし、「周りを育てながら引っ張っていく組織にすることが必須」と提案した。
京都産業大学の山田啓二教授は京都府知事時代に自身が関わった関西観光本部での経験から、広域DMOの利点を説明。「多層的、重層的に人が絡み合うことで、さまざまな意見が出てくる。一つの自治体ではできないことも、複数の自治体が連合することで可能になる」と語った。
DMOの重要な役割であるマーケティングについては仙台国際空港の岩井卓也社長が、「マーケティング予算は、まとめて使うのが民間企業の常道。広域DMOが多くの予算を確保、運用できれば、今まで以上にお客様の心に届くプロモーションができる」と民間企業経営者としての考えを提示した。
同総研は、各方面の有識者やパソナグループ社員とワークショップを重ね、11月に「観光と地方創生」についての提言を発信する。