北茨城のシンボル復活、五浦六角堂の再建が完了
東日本大震災の津波により流出した茨城県・北茨城市のシンボル「五浦六角堂」の再建工事が完了し、4月28日から一般公開が再開された。復旧を記念して5月31日まで無料公開している。
五浦六角堂は1905(明治38)年に岡倉天心が設計したもので「観瀾亭」と名付けられた赤い六角形の堂。五浦海岸の茨城大学五浦美術館研究所内にあり、天心が思想にふけった場所といわれる。
ベンガラ彩色に板張りの床、中央には六角形の炉が切られ、約1世紀前に天心が自ら設計した当時の六角堂が太平洋の前に姿を現わした。創建時の姿を忠実に再現するため、写真や地域住民への聞き取りなどで図面を復元。窓の板ガラスは当時の製法を持つイギリスに発注し、小型の瓦も当時の手法を用いて特注するなど細部に渡って復元にこだわった。
4月26日にはライトアップの点灯式が行われ、一般公開となった28日から新生六角堂が夜間ライトアップされている。また北側岩場には1・7㍍の「雪見灯ろう」も近く設置予定で、107年ぶりの風景復活となる。
開館時間は4―10月は午前9時から午後5時、11―3月は午前9時から午後4時30分、休館日は毎週月曜(祝日の場合は翌日が休館日)と年末年始。観覧料300円予定、中学生以下は無料。
近くには天心記念美術館があり、ゆかりの人々の作品も鑑賞できる。
問い合わせ=茨城大学五浦美術研究所 電話:0293(46)0766。