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国土交通大臣が要請、関越道高速バス事故受け

2012年6月1日
編集部
前田国交相(中央)に報告する業界団体の代表者
前田国交相(中央)に報告する業界団体の代表者

 4月29日に発生した関越自動車道における高速ツアーバス事故を受け5月16日、バス、旅行業界団体の代表者が国土交通大臣室を訪問し、国土交通大臣へ自主的な安全対策について報告を行った。業界団体の出席者は、高速ツアーバス連絡協議会の村瀬茂高会長、日本バス協会の堀内光一郎会長、日本旅行業協会(JATA)の金井耿会長、全国旅行業協会(ANTA)の徳永雅典副会長。

 前田武志国交大臣は、安全対策強化に関する要請書を手渡した。要請書は、同省として事故の再発防止と利用者の信頼回復に向け、関係省庁とも連携して各種の安全対策をできる限り迅速に実施するとしたうえで、民間事業者の自主努力を求めている。具体的には(1)運転時間の基準および交替運転士の配置指針が実施されるまでの当面の措置として、夜間の長距離運行において交替運転士を配置するなどの自主的な安全対策を確実に実施すること。(2)高速ツアーバスを、バス事業のあり方検討会の報告を踏まえた方針に則って「新たな高速乗合バス」にできるだけ早期に移行すること。(3)自動車局と観光庁で、貸切バス事業者と旅行業者が文書による取引内容を明確化する仕組みを導入するので、これに協力すること――など。

 日本バス協会の堀内会長は「当局の通達や、協会独自の安全対策などの周知は、加盟会社のみに行われている状況」と説明。2000年の貸切バスの規制緩和以降、中小零細のバス会社が急増。その結果、協会未加盟会社も増加している。全貸切バス事業者4372社のうち、加盟率は49%にとどまっているという。

 JATAの金井会長は「バス事業者と連携を深めて、取引内容を具体的に明確化する形を始めとして、安全対策がより充実した仕組みとして確立するよう取り組みを進めていきたい」と語った。

 日本バス協会が独自に取り組む安全対策の1つに、貸切バス事業者の安全性評価認定制度がある。バス事業者の法令順守事項と安全確保への取り組み状況を書類と訪問調査で確認。安全に対する取り組み状況が優良であると認定されるとセーフティバス認定マークが交付される。同制度は11年8月からスタート。12年5月1日時点で、222事業者8307両が認定を受けている。この制度に関して、JATAの金井会長は「ツアーを設定する場合に認定されたバス事業者を優先的に使っていく取り組みも進めていきたいが、まだ我われのニーズに応えられる台数に達していない。より早く制度を充実させていただくなかで、我われとしても安心してお願いできる形につなげていきたい」と語った。 

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