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4社で約35億円投資、箱根の新たな魅力づくり

2012年6月1日
編集部
新日帰り温泉施設(イメージ画)
新日帰り温泉施設(イメージ画)

 小田急箱根ホールディングス(和田雅邦社長)は5月14日、東京都内のホテルで会見を開き、グループ内の4社で総額約35億円の設備投資をすると発表した。箱根のさらなる魅力向上をはかり、リピーターへ再訪を訴えるのが狙い。

 冒頭、和田社長は小田急電鉄が策定した箱根エリア戦略の「わかりやすい箱根」「まわりやすい箱根」の実現に向け、小田急箱根グループが2004年にHD体制を構築したことや、9年間で約120億円の投資を行ってきたことなどを説明。5つの重点課題を中心に取り組みを行った結果、周遊券の箱根フリーパス発売枚数は09年度に74万2千枚と過去最高を記録したという。今回の設備投資はその延長線上で、「箱根はすでに訪れている人が多いので、マンネリ化している部分もある。行政や地元と協力し、新しい魅力づけでリピーターを増やしたい。我われの血管を通じて、箱根全体にシャワー効果をもたらせたい」と強調した。

 今回、設備投資を行うのは、箱根観光船(渡辺浩司社長)と箱根ロープウェイ(齋藤康弘社長)、箱根施設開発(和田雅邦社長)、箱根登山鉄道(同)の4社。会見では、3人の社長が各案件の概要を説明した。

 それによると、箱根観光船は2013年3月、芦ノ湖に新型海賊船の就航を予定する。18世紀フランスの第一級戦艦「ロワイヤル・ルイ」をモデルにし、船内はバリアフリー化に対応し、アミューズメント性を向上させる。建造費は約10億円。

 また、箱根ロープウェイは、13年4月下旬に大涌谷の新駅舎を完成させる予定だ。風力発電装置やLED照明の導入など省エネ・自然環境の保護に配慮するほか、レストランの設備を大幅に拡充する。総工費は約10億円。

グループ会社の社長が発表
グループ会社の社長が発表

 一方、箱根施設開発は現在営業している日帰り温泉施設「ひめしゃらの湯」を大幅に拡充した、新しい日帰り入浴施設を13年3月にオープン予定。「里山 湯治村」をコンセプトに、貸切個室露天風呂は首都圏最大数の19室を用意する。総事業費は約7億円。

 さらに、箱根登山鉄道は、箱根登山電車の新型車両を17年ぶりに製造。運転開始は14年4月を予定する。既存の車両に連結し、3両編成ができるため、繁忙期の利便性が向上する。箱根の風景を存分に楽しめるよう、展望窓や側面ガラスの大型化などの車内レイアウトを目指すという。総製作費は約8億円。

 なお、箱根フリーパスの発売枚数は、11年度は震災の影響などで61万枚まで落ち込んだが、12年度は73万6千枚を目指し、13年度は投資効果の期待から75万6千枚を見込む。

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