ニトリが、老舗旅館の事業を承継 「目的は小樽市の観光振興!」
2018年8月15日(水) 配信
インテリア小売業大手のニトリ(白井俊之社長、北海道札幌市)はこのほど、小樽の老舗料亭・温泉旅館「銀鱗荘」の事業を承継。同社傘下のニトリパブリックが運営することとなった。銀鱗荘は1939(昭和14)年創業で、市を代表する旅館。同社は事業承継を通じ、小樽エリア全体の振興にも協力していく構え。
所有権取得の経緯について問い合わせたところ「前オーナーの方がご高齢で、売却先を探していた。ニトリが16年に小樽芸術村を開設したこともあり、地域振興の一環として購入を決めた。ビジネスである以上利益を出さなくてはならないが、目的はあくまで小樽エリアの振興にある。観光業に進出することが主目的ではない」(ニトリパブリック・担当者)とした。
最新の統計によると、小樽市の観光客数は791万人。道内では札幌市の1388万人に次ぐ人気エリアだ(2016年)。近年はインバウンド需要も高い。宿泊者数をみると、韓国と香港、タイからの旅行者が多い。韓国と香港からの宿泊者数は、各々前年度と比べ約5割増加している。
一方、国内外からの宿泊者数をみると、小樽市は87万人と道内で7位に甘んじている。道全体の宿泊者数が東京都に次ぐ2位であることから、伸びしろはまだあるはずだ。小売業で培ってきた力をどう生かせるのかについては未知数の部分も大きいとした(同社・担当者)が、小樽芸術村とのシナジー効果におのずと期待が掛かる。
なお、運営を担うニトリパブリックは、ニトリグループのハウスエージェンシー(広告会社)という位置づけ。