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阿蘇ダイエットプログラム、標高差利用の運動、美味しく食べて痩せる

2012年7月11日
編集部
標高差利用の運動プログラム
標高差利用の運動プログラム

 熊本県阿蘇市の阿蘇温泉観光旅館協同組合が、阿蘇の標高差や温泉を活かしたダイエットプログラムを開発。今年度から本格的な商品化に向けて動き出した。

 事業は経済産業省の地域資源活用促進法の認定・支援を受け、今年度から4カ年で、モニターツアー実施や健康コーディネーター、インストラクターの養成、専用予約サイトの開設、情報発信、大手企業健保組合や旅行会社などへの販路開拓などを進める。

 開発したのは「阿蘇高原滞在型ダイエットプログラム」で、25軒の旅館が加盟する旅館協同組合が主体となって取り組む。地域一体の本格的なダイエットプログラムとしては、全国初という。

 プログラムは2010年から、7軒の旅館・ホテルが中心になり2泊3日のダイエットプログラム開発に着手。その実効性を確認して、今回組合全体の本格事業として乗り出した。プログラムの特徴は5つ。最大の売りが「血糖コントロール理論」に基づいた「楽しく痩せて、美味しく痩せる」ダイエットプログラムと、500―1500メートルの標高差を活かした運動プログラム。

食事のカロリー制限はなし
食事のカロリー制限はなし

 血糖コンロール理論は、日本ダイエット協会会長で慶応大学講師の戸田晴実氏が提唱。糖質量を調整して、タンパク質と繊維質を多く摂取する。炭水化物の含有量を調整し、血液中の糖分濃度を抑えるという、食物エネルギーではない、血糖値を基準にした理論。

 一般的なダイエット法と比べ、糖質をコントロールした食事内容になるため、カロリー制限もなく、美味しいものを食べながら痩せられる。食事制限のストレスが少ないのが大きな特徴だ。

 もう1つのポイントは、標高差利用の運動プログラム。東海大学スポーツ医学研究所が発表したデータでは、1時間歩いたエネルギー消費量が平地の33キロカロリーに対し、1500メートル高地では39キロカロリーと18%も増加。脂肪推定消費量も21キロカロリーから27キロカロリーと28%増加するという。

 阿蘇では旭化成などの実業団や大学・高校・中学の陸上チームが合宿に毎年訪れるなど、すでにその高地トレーニング成果は実証されている。

 旅館ホテルが集中する内牧温泉街の標高は500メートル。外輪山の展望所・大観峰が1千メートル、中岳火口は1500メートルで標高差利用の運動には最適地といえ、高地運動と血糖コントロールの相乗効果で、短期間での体質改善効果も期待できる。

 さらに阿蘇の温泉はリチウムを含み、これがストレス解消に効果があるという。健康プログラムの指導やアドバイスを行う専門スタッフも配置して、強力にサポートする。

 プログラムは2泊3日が基本だが、4泊5日も予定。糖質量をコントロールした食事と、標高差を利用してのゴルフや乗馬、クロスカントリー、ウォーキング、トレッキングなどの運動メニューを実践し、温泉療法などのプログラムをこなす。

 過去に実施のモニターでは参加者の体重が、実施後平均2キロ減少する結果も出ている。

 主要ターゲットは20―50代の女性。ある調査ではこのうち7割以上がダイエットに高い関心を持つといわれ、市場規模は1兆6600億円以上と推計される。さらに2400万人以上といわれるメタボ予備軍も市場と見込む。

 料金は2泊3日が4万9800円、4泊5日は6万1800円を予定する。売り上げは3年後に2千万円、4年後に倍を目指す。

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