初のインバウンド商談会、送客15社が参加
長野県旅館ホテル組合会青年部(宮坂好俊部長)は6月25日、長野県松本市内で同部のインバウンド委員会(タイラー・リンチ委員長)を中心に、「インバウンドで売り上げアップ!」商談会を開いた。初めての試みだが、楽天トラベル・インバウンドやExpedia.com、Booking.comなどインバウンド送客業者15社が参加。親会を含め、会員も多数集まった。
宮坂部長は「昨年は知事のトップセールスへの同行やインバウンド研修会を行った。今期はそれに続く形で、インバウンド委員会を立ち上げた。セールスだけではなく、実際にお客様を呼び込める実りのある会にしていきたい。長野県の外国人宿泊者数は今年37万人を見込んでいるが、我われの取り組みで倍以上の80万人を目指していきたい」と意気込みを語った。
商談会の前にはインバウンド委員会のタイラー委員長が講演会「欧米人が求めるおもてなし」を行ったほか、メディアネット委員会がスマートフォンに関する研究発表などを行った。
このなかで、タイラー委員長は欧米人が日本に抱くイメージに大きく影響するのは「SAYURI」や「ラストサムライ」などのハリウッド映画だとし、「欧米にない内面的な奥深さに憧れる。米国で発売される日本のガイドブックの表紙の多くは芸者」と紹介。ニューヨークでは茶道がストレス発散の方法として人気を集めていることや、松本市内の観光では松本城や日本浮世絵博物館が喜ばれることも語った。
一方、おもてなしの部分では「日本のインバウンド向けの宿では、欧米人に対して『何もサービスをしないのがおもてなし』といわれることもあるが、それは少し違う。荷物を自分で運ぶのは『自分より小さいおじさんに荷物を運ばせるのはかわいそう』ぐらいの気持ち」と笑いを混ぜながら話し、「友達に提供するようなフレンドリーサービスが喜ばれる。日本に来て、日本の普通の生活に触れ合いたいと思っている」と強調した。
また、外国人客が何に興味を持って、どういうルートで来るのか知るために有効な手段として、「ヤフージャパンではなく、現地のヤフーを開いてそこから検索してみれば、どういったものを参考にしているのか分かる」とアドバイスした。
商談会は各社のテーブルに会員が集まり、会員が移動するかたちで3回に分けて実施。その後は個別相談の時間も設け、熱心に商談を行った。