佐藤義正氏ら9人表彰、第31回温泉関係功労者
環境省は7月10日、第31回温泉関係功労者表彰を行い、日本温泉協会常務理事で国際観光旅館連盟会長の佐藤義正氏ら9人が表彰された。
横光克彦環境副大臣は「日本は世界屈指の温泉国。延べ温泉宿泊客は1億2千万人を超え、国民全員が年に1回は温泉地を訪れ宿泊している計算になる。温泉は日本文化の重要な要素であり、自然資源であり、観光資源でもある。温泉の魅力を充分に生かしながら、後世に残していくことが大切。また、震災以降は再生可能エネルギーとしての期待もあり、温泉が果たす役割がますます重要になっている」と語った。
受賞した佐藤氏は日本温泉協会で97年から温泉資源の保護と適正利用に関する広報普及活動の推進に努めたことや、95年から13年間岩手県自然環境保全審議会と環境審議会の温泉部会委員、部会長を歴任し、温泉資源の保護と温泉行政の推進に貢献したことが高く評価された。佐藤氏は本紙の取材に対し「表彰は予想していなかったので驚いたが、震災後に避難者を受入れ、一生懸命対応したことなども評価されたのかなと思う。岩手県では温泉部会長を長年務め、皆で自然環境保護に取り組んできた」と振り返った。
同表彰は温泉の保護や温泉の採取等にともない発生する可燃性天然ガスによる災害の防止、温泉の適正利用に関し、とくに顕著な功績のあった人を讃えるために、1982年から環境大臣表彰を行っている。
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表彰者は次の各氏。
岡村眞(高知大学理学部応用理学科災害科学講座教授、高知県環境審議会温泉部会委員)▽加藤尚之(東邦大学医学部准教授)▽葛谷昌之(岐阜薬科大学名誉教授、中部学院大学短期大学部副学長人間福祉学部教授、岐阜県自然環境保全審議会会長兼温泉部会長)▽齊藤勝彌(熊本県温泉協会顧問、熊本県温泉協会山鹿植木支部顧問)▽佐藤義正(日本温泉協会常務理事、ホテル大観社長、つなぎ温泉観光協会会長、国際観光旅館連盟会長、日本観光振興協会副会長、岩手県観光協会理事長)▽野田徹郎(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門顧問、茨城県自然環境保全審議会委員、日本温泉科学会評議員、理事、将来委員会委員長)▽波田重熙(神戸女子大学学長、兵庫県環境審議会委員)▽神奈川県温泉地学研究所(所長 吉田明夫)▽長野市開発公社(理事長 鷲澤正一)