オフ期の宿泊促進、冬の魅力を積極的に発信
奈良県ビジターズビューローは7月5日、東京都内のホテルで首都圏の旅行会社や報道関係者を対象に、「冬」の奈良の魅力を紹介する「奈良観光プロモーション会議・交流会」を開いた。同県は2010年に行った平城遷都1300年祭で認知度が向上した一方、オフ期の冬は宿泊が落ち込んでいるのが現状だという。そこで今回は冬の送客促進を狙い、新コンテンツなどを積極的に発信した。
会議では、県や市町村、施設などさまざまな観点から各地域の素材をプレゼンテーション。そのなかで、奈良県ビジターズビューローは、冬の時季に行われる社寺仏閣の伝統行事を紹介した。
とくに、冬の静寂とした夜を炎や灯りで彩る祭典は幻想的な世界が広がる。代表的な「若草山焼き」は、奈良市・若草山で毎年1月の第4土曜日に行われるもので、約33ヘクタールの山全体が焼かれる。来年は1月26日の予定。このほか、奈良市の奈良公園と春日大社、東大寺、興福寺を夜間に明かりでつなぐ「しあわせ回廊~なら瑠璃絵」は、イルミネーションが楽しめるイベント。開催期間は2月8―14日まで。
また、体験メニューでは奈良独自の体験メニューとして注目度が高い「にぎり墨体験」を紹介。奈良市「錦光園」で体験できるにぎり墨は、生の墨を手で握り、手の型と指紋を付けてオリジナルの1品を作るもの。約30―40分で完成し、1回150人まで受け入れが可能。一丁1050円。さらに、市内のホテル・旅館に25人以上で宿泊し、施設側がスペースを提供できる場合は出張にも対応する。
会議後は、荒井正吾奈良県知事も加わり、交流会を開いた。荒井知事は「有名地の押しつける観光ではなく、1度来ていただいた方に『あの景色がまた見たい』『あのおそばが食べたい』と思ってもらえるような観光地になりたい。あるものの魅力を磨いて展示する作業は難しいが、皆さんのご指導をお願いしたい」とあいさつした。