発着回数30万回へ、関空と伊丹、統合運営開始
新関西国際空港(安藤圭一社長)は7月1日、関西国際空港と大阪国際空港(伊丹空港)の統合運営を開始したのにともない、3年間の経営方針を示す経営戦略を作成した。これによると、2空港の合計で14年度に発着回数を30万回、旅客数は3300万人、売上は1500億円を目指す。
7月13日に国土交通省で開いた会見で室谷正裕常務は「2空港が一体となり、1つの主体でみることでお互いの強みを有効的に活用し、関西の航空パイを増やしていきたい」と運営統合への意気込みを語った。
今回発表した経営戦略によると、基本コンセプトを「空を変える。日本が変わる。」に据え、空港のビジネスモデルの変革を目指す。最終的に完全民間運営化(コンセッション)を目指すため、段階的に補給金の引き下げを行い、自立した経営の実現や事業価値の最大化をはかっていく。
このための戦略の1つ、「航空成長戦略」はネットワークのさらなる拡大と両空港の特性を踏まえた全体最適をあげる。関空は乗継機能強化などで、国際拠点空港として再生強化をはかる。具体的には、今年度冬ダイヤから国際線着陸料を5%引き下げ、今後3年の間に現行から約10%減少させ、成田空港並みの料金を目指す。伊丹は都市型空港としての利便性向上や環境に優しい空港に向け、低騒音機材導入を促進する料金体系の導入などを検討する。両空港の一体運営としては、アクセス強化や旅行商品開発などで、伊丹から関空国際線への内際乗継機能の強化をはかる。
また、「ターミナル成長戦略」は、伊丹のターミナルビルを運営している大阪国際空港ターミナルとの一体化の早期実現や共同仕入会社の設立などを掲げるほか、魅力ある商業エリアの創造などを盛り込んだ。