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富岡製糸場と絹産業遺産群

2012年9月11日
編集部
「富岡製糸場」(群馬県富岡市)
「富岡製糸場」(群馬県富岡市)

 世界遺産に推薦、2014年夏の登録目指す

 政府は8月23日、外務省で世界遺産条約関係省庁連絡会議を開き、2014年の世界文化遺産登録を目指し、群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを正式決定した。今後は9月末までに暫定推薦書をユネスコに提出。形式審査の後、内容を仕上げて来年2月1日までに正式な推薦書を提出する。

 ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イモス)が来年夏ごろに同遺産群を現地調査し、14年夏のユネスコ世界遺産委員会で世界遺産登録の可否が審議される。

 同遺産群は、明治政府がフランスから近代製糸技術を導入して1872(明治5)年に設立した国内初の官営製糸工場「富岡製糸場」(富岡市)を中心に、繭の生産に貢献した近代養蚕農家の原型「田島弥平旧宅」(伊勢崎市)、養蚕技術の教育機関「高山社跡」(藤岡市)、自然の冷気を利用した日本最大規模の蚕種貯蔵施設「荒船風穴」(下仁田町)の4資産で構成。高品質な生糸の大量生産を実現し、絹の大衆化をもたらした。

 群馬県の大澤正明知事は同日、「世界に向けた新たな一歩を踏み出すことになったと感じている。7月に推薦が内定し、さらに高まってきた県民の期待と励ましの声を大変心強く思っている。今後は全国の方々にも応援していただけるよう努めていきたい。まずは9月の暫定版推薦書の提出に向け、文化庁や関係自治体とよく連携して、しっかりと取り組んでいきたい」とコメントを発表した。

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