創立60周年を迎える
教育シンポで意見交流、日修協
日本修学旅行協会は8月24日、ホテルグンランドパレス(東京都千代田区)で創立60周年記念式典と第8回教育旅行シンポジウムを開き、危機管理と訪日旅行の受け入れについてパネルディスカッションを行った。
阿部充夫会長は「近年、修学旅行も周遊見学型から滞在体験型に移行している。また、今年は海外修学旅行が始まって40周年という節目の年でもある。国際関係の問題が複雑化するなか、修学旅行が国際理解協力と交流改善の掛け橋として大きな役割を果たすと期待している。修学旅行はこの10年で大きく変わってきたが、教育に果たす役割は基本的に変わっていない。学校教育の一環という本質から外れないよう、働きを継続していきたい」とあいさつした。
パネルディスカッションは、日本修学旅行協会の河上一雄理事長をコーディネーターに、東京都立三鷹中等教育学校・高等学校の仙田直人校長、東京都板橋区板橋第5中学校の小川達夫校長、教育旅行誘致観光カリスマの小椋唯一氏、京都市産業観光局MICE推進室の九鬼令和戦略推進担当部長、長崎県観光連盟の土井正隆専務理事、JTB旅行事業本部の山﨑誠教育旅行担当部長の6人がパネリストとして登壇。危機管理と訪日旅行の受け入れの2部構成で意見を出し合った=写真。
第1部の危機管理は、各パネリストから東日本大震災当日の対応や、その後の対応、課題について報告された。長崎県観光連盟の土井専務理事は「長崎県内で行った教育旅行シンポジウムで、修学旅行生の受け入れ危機管理について認識を高めることができた。また、修学旅行生を対象に、市内で避難訓練を実施するなど危機管理の内容を充実させている」と語った。
第2部の訪日旅行受け入れについては、訪日旅行客としてとくに多い、中国、韓国、台湾各国の修学旅行に対する意識の違いを指摘。国際問題を織り交ぜながら、今後の対応について話し合った。観光カリスマの小椋氏は「目的を絞った内容にすることが大事。場所が遠い国ほど直前でキャンセルがでやすいという現状がある。しかし、農業高校同士での交流など目的をもった修学旅行ではキャンセルが少ない」と話した。