琉球芸能を旅行商品へ、県外の視点から評価と意見交換
沖縄県「文化観光」で誘客目指す
沖縄県は2011年度に「文化観光戦略」を策定し、芸術性やエンターテイメント性の高いコンテンツを新たな魅力(マグネットコンテンツ)として観光客誘致・旅行商品化につなげようと、さまざまな取り組みを行っている。1月5、6日には文化観光戦略推進事業として、県外の学識経験者や旅行会社、マスコミ関係者を招待。沖縄の伝統的な歌舞劇「組踊」(くみおどり)やエイサーなどを若手演出家が創作した作品を、「国立劇場おきなわ」(浦添市)でプレ公演を行い、招待者は観劇しその後、意見交換を行った。
【増田 剛】
組踊は、琉球王国時代に玉城朝薫が創始した琉球独自の歌舞劇で、2010年にはユネスコ無形文化遺産リストに登録された。音楽・舞踊・台詞からなり、音楽に琉球音楽、舞踊に琉球舞踊、台詞に琉球語を使用するのが特徴。今回国立劇場おきなわで行われた「文化観光戦略推進事業プレ公演」では、富田めぐみ氏演出作品「Bon Voyage」、嘉数道彦氏演出作品「かりゆし・かりゆし~恋するシーサー~」、名城一幸氏演出作品「琉球幻想絵巻~Glorious RYUKYU“春や春”」、藏當慎也氏演出作品「琉球幻想絵巻AMAMIKIYO~ニライカナイ伝説」、安田辰也氏演出作品「琉球幻想絵巻~FURUSATO~」、照屋忠敏氏演出作品「Ship of The Ryukyu~煌Kirameki」の6作品を2日間で鑑賞し、旅行商品化の可能性などのアンケートを実施した。
会場となった国立劇場おきなわは、全国5カ所にある国立劇場の1つ。現状では、土・日曜日の公演が中心で平日はあまり利用されておらず、13年度からは修学旅行生の受入れを本格的に始める予定だ。同館事業課観客劇場係の川平英夫主査は「沖縄の伝統芸能を修学旅行などのツアーオプションとしてどのように組み入れるかが今後の課題」と話す。
問い合わせ=☎098(871)3311。
また、読谷村の「体験王国むら咲むら」では、今年1月から2月まで、敷地内の琉球武家屋敷を舞台に、庭先で鑑賞するスタイルの「ククル奏―かなで―劇場」で組踊の定期公演を行う。国立劇場おきなわでの公演に向けての第一ステップという位置づけだ。シーサーづくりなど32工房101の体験ができるテーマパーク内には、宿泊施設やレストランもあり、観劇と合わせた楽しみ方も提案している。
問い合わせ=☎098(958)1111。