〈観光最前線〉長岡のからくり酒杯
2018年9月21日(金) 配信
「満つれば欠く」というメッセージを形にした杯が、新潟県長岡市にある。江戸時代から伝わる十分杯(じゅうぶんはい)だ。
なみなみと酒を注ぐと「あら不思議」。底の穴から一滴残らず流れ出てしまう。サイフォンの原理を応用したからくり酒杯は、ほどほどの大切さを今に伝えている。近年は長岡大学の学生さんがゼミ活動で取り上げるなど、地元でも見直されている。
杯の中心には「飾り」という突起があり、米俵や梅などがデザインされている。一点ものと出会うには現地が一番と、先日出掛けてみた。
数軒訪ねて、飾り部分がトリの杯を発見。十分杯を巡り店員さんとの会話も弾んだ。今回は「ネットで便利」より「探す楽しみ」に軍配。「工房を訪ねて」の続編もそのうちに。
【鈴木 克範】