凸版印刷、VRで福井城を復元
2018年9月27日(木) 配信
「デジタル文化財」の提供を推進する凸版印刷はこのほど、同社が展開する体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」で「福井城復元アプリ」を公開した。製作は三谷コンピュータ、福井放送と共同で福井県から受託。福井城の往時の姿を楽しめる。
福井城は、徳川家康の二男で福井藩初代藩主の結城秀康が1601(慶長6)年から6年の歳月をかけて築城し、約270年間・17代にわたり越前松平家の居城として、その繁栄を示した名城。本丸を中心に四重・五重に堀が取り巻く輪郭式の大城で、本丸には四重五階、高さ約30㍍の雄大な天守がそびえていたが、大火により失われ、現在は本丸周囲の石垣と内堀のみが残っている。
福井城復元アプリでは、城への登城口である御本城橋から本丸御殿、天守、天守からの眺望など、本丸とそれを取り囲む厳選10カ所をVRで再現。水堀に浮かぶ壮麗な姿を、音声解説とともに楽しむことができる。また、同アプリでは現代地図の上に古地図を重ねて見ることができ、城郭内の建物の配置や旧町名など、古地図でしか知ることのできない歴史的背景も確認できる。
□「ストリートミュージアム」について
VR(バーチャルリアリティ)とGPSを組み合わせた旅行者向け観光アプリ。現存しない城郭などの史跡を高精細かつ色鮮やかにVRコンテンツで再現し、スマートフォンやタブレット端末で位置情報と連動してその土地、その場所ならではの体験を提供する。旅行者はアプリを利用することでVRコンテンツを通じてバーチャル観光が体験できるほか、音声による解説で理解を深めたり、現在の地図だけでなく当時の古地図を見ながら町歩きを楽しむことができる。松本城(長野県)や福岡城(福岡県)など、全国各地の史跡を1つのアプリで楽しめる史跡観光アプリとして、現在19コンテンツを公開している。