宿泊旅行34・5%に、10―12月、前年から減少(短期観光動向調査)
日本観光振興協会はこのほど、短期観光動向調査(2012年12月調査)の結果を発表した。これによると、12年10―12月期の宿泊旅行実績は前年同期比6・1ポイント減の34・5%となった。宿泊旅行実施回数は同0・09回減少の平均0・52回。前年は震災の落ち込みから回復が進んだが、今期はその反動から減少したとみる。
同調査は、一般消費者の旅行意向や実績を四半期ごとに調べ、地域や観光関連業界、企業などに基礎資料としてフィードバックすることを目的に2011年9月から調査を開始。今回の調査で過去1年分の調査が蓄積されたことから、今後は定期的に公表するという。なお、調査は一般消費者4千人を対象にインターネットで四半期ごとに実施している。
10―12月の実績のうち、年代別の宿泊旅行実績はとくに50代が10・6ポイント減と大幅に減少した。
地域別は中部、関西、九州、海外への旅行が他地域に比べ低下。国内では震災後は西日本へのシフトがみられたため、今期はその反動減で西日本方面が減少したと考える。その他は概ね前年並み。目的地と地域間流動をみると、東北への旅行は、前年は同じブロックからの割合が最も高かったが、今期は関東からの割合が最も高く、域外からの観光流入に明るい兆しがみられた。
旅行の同伴者は家族が29・3%と昨年から1・3ポイント減。カップル・夫婦も微減だが、そのなかの「子育て後夫婦」カテゴリーは1・9ポイント増加した。また、1人旅は女性が減少したが、男性は1・6ポイント増加した。
旅行意向に対する実施率をみると、10―12月期の事前意向は44・3%だったのに対し、実績は34・5%で、実施率は77・9%となった。属性別は、学生の実施率が124・0%と高かったが、50代の実施率は69・3%と低かった。地域別は四国が最も高く、100%を超えたのは四国のみだった。
一方、1―3月の宿泊旅行意向は前年同期比4・5ポイント減の41・9%と前期実績の減少傾向は今期の意向にも継続している。宿泊旅行予定回数も前年同期が平均0・64回だったのに対し、今期は0・56回と12・5%減少した。
地域別は中部、関西、海外などへの旅行意欲が低下し、震災以降の西日本や海外にシフトした旅行動向の反動と考える。東北についても復興支援を意識した旅行意欲がやや一段落した模様。
地域間流動は前期実績と同様に東北への旅行が同じブロックからの意向が減り、関東からの意向が強まっている。
同伴者は、家族と知人・友人が減り、カップル・夫婦と1人旅が増加した。1人旅は前期実績から引き続き男性が増加し、女性は減少した。