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経営基盤の改善を、経営フォーラムに300人(JATA)

2013年3月21日
編集部
JATA菊間会長
JATA菊間会長

 日本旅行業協会(JATA)は2月26日、東京都内のホテルで「JATA経営フォーラム2013」を開き、会員約300人が出席した。あいさつに立った菊間潤吾会長は「経営改革をしていかなければ観光での経済活性化の中核的な立場を担うことはできない」と旅行業の経営基盤の改善を強調した。

 菊間会長は「昨年、東北復興支援プロジェクトを実施し、会員など1千人で東北を周ったが、現地で感じたのは観光に対する多大な期待。応えるべき我われ旅行業はもっとしっかりとしなければならないと再認識した」とし、収益性の低さなどの問題に業界あげて取り組む必要性を訴えた。

 

 また、来賓の井手憲文観光庁長官は今回のフォーラムのテーマ「グローバル視点で強くなる!~新たな価値創造に向けて~」に触れ、「まさに今の旅行産業にとって重要なキーワード。観光庁としても、観光産業を強くするという視点が欠けていたと反省している」と語った。

大塚陸毅氏
大塚陸毅氏

 フォーラムは、東日本旅客鉄道(JR東日本)相談役で日本経済団体連合会副会長・観光委員長の大塚陸毅氏が「観光は物見遊山か」と題して特別講演。また、2007年以来の旅行業経営分析を日本交通公社観光文化事業部の黒須宏志主任研究員が行った。その後、4つのテーマ別に分科会を開いた。

 そのなかで、大塚氏は「産・官・学」の3面から観光を取り巻く現状の問題点を指摘。「産」は低い収益性や弱い経営力、産業としての誇りの欠如をあげ、「学」はグローバル化・地域性追求への遅れをあげた。さらに、予算が少ないことなど国家戦略の遅れも問題視した。大塚氏は「まだ観光は『物見遊山』と認識されている。観光立国といわれ10年が経つが存在感が薄く、成長産業として認知されていない」とし、「産官学が連携し、観光の持つポテンシャルを最大限発揮する必要がある」と語った。

 最後に、旅行産業に必要なこととして「意識改革」「新しい価値・需要の創造」「人材の育成」の3点を示し、「働く人が自覚と誇りを持ってほしい。利益率が低くても高くても『この仕事は重要な国家戦略だ』という強い意識を持ち、産業自体が外向きになる必要がある」と呼び掛けた。

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