ガイドライン周知を、ハンデ旅行者の対応検討(TCSA)
地位の安定・向上へ、グリーン・ブック活用訴え
日本添乗サービス協会(山田隆英会長、48会員、TCSA)は3月22日、2013年度通常総会を開いた。13年度は、新規事業として派遣添乗員の業務ガイドライン(グリーン・ブック)の周知徹底と、ハンデキャップを有する旅行参加者への対応を検討していく。また、高齢化する添乗専門職の活用や、人材確保・人材育成なども引き続き展開していく方針だ。
山田会長は「1月4日に一般社団法人として衣替えをしたが、事業内容は今までと変わらない。今後も優秀な添乗員の育成、添乗員の社会的地位の向上、TCSAと観光業界の発展に寄与していきたい」と話した。
添乗員の地位の安定・向上の取り組みについては、「派遣添乗員の業務ガイドライン&添乗業務対応事例集 労働者派遣法改正の概要」(グリーン・ブック)の周知徹底に努め、現場での活用を協会側から訴えていく。同冊子は、2月に会員会社や関係機関に6千部を配布。労働者派遣法の改正に対応し、雇用者責任と使用者責任を明確に提示している。過去、業界内で討議した内容の再点検と原点に立ち返るツールとしての活用を求めた。
近年、ハンデキャップを有する(障害者や要介助者)旅行参加者が多い問題を挙げ、13年度は日本旅行業協会(JATA)と協力し対応の改善策を検討することを明らかにした。三橋滋子事務理事は「一見、健常者に見えるが、目に見えないハンデキャップを持った参加者もいる。認知症の参加者が乗り継ぎ空港で行方不明になったことや、介助者自身が高齢で障害者の介助が果たせないケースなどさまざま。添乗員が介助にかかりっきりで、ツアー催行が難しくなるケースもあった。現場からは対応に苦しむ声が後をたたない」と報告した。
同協会は、JATA社会貢献委員会に対し、介助を必要とする旅行参加者の対応について(1)旅行申込時点での情報収集(2)各社のホームページに掲載(3)メディア販売商品での確認の徹底(4)トラブルの実態内容の報告――の4点の改善を依頼。会員各社からもトラブル事例を収集し、旅行会社の個々に対しても改善を要請している。