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八ッ場ダム建設で沈む景色を後世に残す、動画や写真をシェア

2018年10月10日
編集部:飯塚 小牧

2018年10月10日(水) 配信

 

群馬県・長野原町役場とジモフル(三枝明大社長、東京都千代田区)が運営する、地域の魅力を動画でシェアする「ジモフル」、フリー素材サイト「ぱくたそ」がこのほどコラボレーションを開始した。ジモフルは八ッ場ダム建設工事で既に姿を消してしまった景色に着目。現在では立ち入ることも、見ることもできないエリアの景色をジモフルでは動画で配信し、ぱくたそではフリー素材として配布する。

ダム湖に沈む景色〜「王湯」源氏の家紋「笹竜胆」が掲げられている

 2020年に完成が予定されている、群馬県吾野郡長野原町の「八ッ場ダム」。関東1都5県の水がめとなり利水や治水の役割が期待される反面、ダム建設の避けられない運命が「ダム湖に沈む」存在だ。ジモフルは長野原町役場の協力を得て、現在では立ち入ることも、見ることも決してできないエリアの景色を、写真と動画による素材で入手した。源の頼朝が発見したという歴史があり、全国的にも有名な名湯「川原湯温泉」を始め、もう見ることができない貴重な町の姿を、素材として配布する。

 このコラボレーションには、「貴重な地域の映像を後世に残す」という目的と共に、ダム建設で移住を余儀なくされた人々に懐かしい風景を見てほしいという気持ちを込めている。

〈長野原町企画政策課 中村剛課長のコメント〉
 長野原町、とくに吾妻川流域地区は、八ッ場ダム建設により、今まで集落があったり、温泉街があったり、畑や田んぼだった吾妻川の谷間に、3平方㌔に及ぶダム湖が出現し激変いたします。また、八ッ場ダムに建設に関係しない地域でも、今のうちに映像や画像として残しておきたい場所がたくさんあります。

 このようななか、縁あって、地域の魅力を動画でシェアする「ジモフル」と、フリー素材サイト「ぱくたそ」とのコラボレーションにより、地元住民でも知らないような町内のスポットや失われゆく懐かしい風景を残すだけでなく、フリー素材として発信できる機会を得ることができました。

 多くの方々に発信される映像などから、観光パンフレットなどには決して載らない長野原町の魅力を感じていただけると確信しております!

〈三枝明大 ジモフル代表取締役のコメント〉
 今回のコラボレーションには2つの目的があります。1つ目は国内初の試み「ダム湖に沈む町の写真をフリー素材として提供したい」です。2020年に試験湛水と完成を予定している八ッ場ダムには、今後さらに多くの人々が訪れることが予想されます。訪れた誰もがSNSやブログ、または映像で「ダム湖に沈む地には、かつてこんな町の景色や資源があった」ことを、フリー素材を用いて気軽に発信できる環境を整え、今後の長野原町における観光活性に寄与したいという思いです。

 2つ目は「八ッ場ダム以外の長野原町を知ること」です。私自身、これまで「長野原町」の地名を耳にする事はありませんでした。取材中に町に住むご高齢の方にお話を伺ったところ、この地が「古から神々が宿る加護の地」である事を知りました。町内の至る所には、観光ついでの崇拝では気が引けてしまうような厳粛な神社仏閣や石仏群が建ち、「叶えてください」でなく「お護りください」と手を合わせる信仰が町民に受け継がれています。神域に足を踏み入れた、長野原町はそんな感覚を抱く町でした。

コラボレーションの詳細

群馬県長野原町の「ダムに沈む貴重な景色」および「古の神々が宿るパワースポット」をジモフルではガイド付き60秒前後の動画および360度動画で、ぱくたそではこの地に思い出がある人々にSNSで発信してもらいやすいようにフリー素材として公開している。

(ジモフル内特設ページ)
古から神々が宿る加護の地「長野原町」

(ぱくたそ内特集ページ)
古から神々が宿る加護の地「長野原町」フリー素材

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