ビザ緩和を働きかけ、「夏までに韓国並みに」(井手長官)
観光庁の井手憲文長官は4月25日の会見で、政府主導で動きを見せ始めた訪日ビザ要件の緩和について、今夏を目途に、韓国並みに要件緩和できるよう、観光庁として関係省庁に働きかけていることを明かした。
4月23日に開かれた産業競争力会議で安倍晋三首相が東南アジアの訪日ビザ要件緩和の検討を明言し、自民党観光立国調査会が韓国と同レベルのビザ要件緩和などを求める提言をまとめるなど、政府主導、政治を巻き込んでの動きが出始めている。
井手長官は、訪日ビザ要件緩和について「直接のプレイヤーではないが、関係省庁に働きかけている」と報告。「現在、外務省が治安当局の警察庁と協議を始めたところ」と明かすが、治安を管轄する警察庁の反対は根強く、協議は難航しそうだという。
観光庁の考え方としては、自民党観光立国調査会が提言した(1)タイ、マレーシア、インドネシアに対しビザ免除(2)ベトナム、フィリピン、インドなどのアジア諸国、ロシアに対し数次ビザ(3)中国の数次ビザの訪問地要件(沖縄、東北被災3県)の撤廃――と同じであることを説明。時期については「夏ぐらいまでを目指したい」とした。
また、安倍首相をトップに全閣僚で構成される「観光立国推進閣僚会議」が3月に発足したことについて触れ、「観光は観光庁と国土交通省だけでやれることは少ない。閣僚会議ができたことで、政府をあげて観光に取り組み、各省庁が縦割りにならず連携してやっていく体制が強化された」と語った。