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No.341 改正耐震改修促進法 - 2015年末までに耐震診断義務に

2013年6月1日
編集部

改正耐震改修促進法
2015年末までに耐震診断義務に

 耐震改修促進法の改正案が5月22日、参議院本会議で全会一致で可決、成立した。1981(昭和56)年以前に建築され、5千平方メートル以上の旅館ホテルは、2015年末までの耐震診断が義務付けられる。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の佐藤信幸氏と国土交通省住宅局担当大臣官房審議官の橋本公博氏との対談、自民党観光産業振興議員連盟幹事長の望月義夫氏への単独インタビューにより、宿泊業界、行政、政治の多角的な視点から、分かりづらい"耐震問題"を語り合った。

【司会=旅行新聞新社社長・石井 貞德、構成=内川 久季】

 

【対談】全旅連会長・佐藤 信幸氏 × 国交省審議官・橋本 公博氏
≪要望や相談窓口わからない ― 佐藤氏≫
≪自治体に補助金理解求める ― 橋本氏≫

 ――耐震改修促進法改正案が3月8日に閣議決定されたことについてどのように思われますか。

■佐藤:耐震改修促進法の改正案について国交省の住宅局から初めて説明を受けたのが、2月21日の全旅連の理事会でした。驚いたのは、5千平方メートル以上の建物の耐震診断の義務化、耐震診断結果の公表を2015(平成27)年末までにすると日付まで明確に書いてあったことです。努力目標ではなく、罰則規定まである法案に驚きました。同法案への対応には十分な時間が必要だったはずですが、2月27日には自民党の国土交通部会まで通ってしまい、同日に全旅連は陳情を行いましたが間に合いませんでした。お客様の安心・安全は大切であり、耐震の必要性は十分理解できますが、あまりにも性急過ぎます。少なくても半年から1年前に、住宅局から相談をしてほしかったです。全旅連は約1万6千軒の組合員がおり、同改正案を会員に周知するには時間がかかります。もう少し時間がほしいというのが正直なところです。

■橋本:旅館、ホテルなどの宿泊業に限らず、他の業界も同じなのですが、1995(平成7)年に同法律ができ、不特定多数の人が使う2千平方メートル以上の建物については、都道府県や政令指定都市などから耐震診断や改修をお願いしてきたはずなのです。

 その前提で皆様方にはある程度、耐震診断や改修にご理解いただいているだろうということ、また、15年以上法律で努力義務がかけられてきたことなどを踏まえ、東日本大震災が発生したことで次のステップに進まなければならないと判断いたしました。

 ただ、佐藤会長がおっしゃるように、同法案を知らなかったという意見があるとのことですので、もう少し広報を周知徹底しておくべきだったかもしれません。

 

※ 詳細は本紙1503号または6月6日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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