初の90万人台突破、アジアは軒並み2ケタ増(JNTO4月訪日外客数)
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)が発表した4月の訪日外客数推計値は、前年同月比18・1%増の92万3千人となった。単月として初の90万人台に乗り、過去最高を記録した。
1―4月の訪日外客数累計は前年同期比18・0%増の317万8100人。観光庁の井手憲文長官は5月22日の会見で、「2012年の訪日外客数837万人に18%分を足しても980万人台にしかならず、13年目標の1千万人には足りない。さらに増やし維持し続けなければならず、楽観視はできない」と語った。
桜シーズンの訪日旅行需要の拡大に加え、円高の是正による割安感の浸透、航空座席供給量の拡大、成長著しい東南アジアの需要増で大きく伸長。市場別では、中国を除くアジアを中心に2ケタ台の伸びを見せ、台湾、タイ、ベトナム、フランス、ロシアが単月として過去最高を記録したほか、韓国、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、豪州が4月として過去最高を記録した。
市場別にみると、韓国は前年同月比33・7%増の20万4200人。円高の是正を追い風に、若い世代を中心に割安な商品への需要が広がり、4月として過去最高を記録した。
中国は、日中関係の冷え込みの影響が続き同33・0%減の10万200人となり、井手長官も「不振が続いている」とコメントした。
単月として過去最高を更新した台湾は、同42・5%増の19万7900人。正月変動があった本年1月を除き、12年7月以降、毎月過去最高を更新中だ。春の旅行シーズンの需要が拡大し、個人旅行の需要増にともない、個人旅行向け商品の取り扱いを始める旅行会社も増えているという。
香港は、同24・3%増の5万5千人と、4月としての過去最高を更新。海外旅行をしやすい休日の日並びの良さが好影響となった。
そのほかでは、タイが同46・9%増の6万200人と、12年4月以降、13カ月連続で毎月の過去最高を更新中。ベトナムも同85・6%増の1万2100人と、単月として過去最高を記録した。放射能の影響不安の強かったフランス、ドイツもそれぞれ同30・5%増、18・5%%増と好調だった。
なお、出国日本人数は同12・3%減の123万7千人と、3カ月連続で前年同月を下回った。