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東南アジアのビザ緩和決定、首相、訪日2千万人へ言及

2013年6月21日
編集部

 政府は6月11日、安倍晋三首相をトップとする「観光立国推進閣僚会議」の第2回会議で、東南アジア向けの訪日観光ビザの発給要件を大幅に緩和することを決めた。今夏までに実施する。

 現在、期限内に何度でも入国できる「数次ビザ」を認めているタイとマレーシアを「ビザ免除」に、現在「1次ビザ」のベトナムとフィリピンを「数次ビザ」に、それぞれ1段階要件を緩和。さらに、現在「数次ビザ」のインドネシアは滞在可能日数を延長する。これらは第2回観光立国推進閣僚会議で決定したアクション・プログラムに盛り込まれたもので、一定の要件を満たした外国人の長期滞在を可能にする制度の導入についても触れている。

 安倍首相は会議を踏まえ「夏までに東南アジア諸国からの観光ビザを一気に緩和することを決めた。史上初の訪日外客数1千万人を達成し、さらに2千万人を目指すため、このアクション・プログラムを直ちに実行していく」と力を込めた。

 アクション・プログラムは(1)日本ブランドの作り上げと発信(2)ビザ要件の緩和などによる訪日旅行の促進(3)外国人旅行者の受入改善(4)MICEの誘致や投資の促進――の4項目で構成。「日本ブランドの作り上げと発信」では、オールジャパン体制での連携強化などをうたい、新たに「国際広報強化連絡会議」を官邸で開き、各府省庁の広報機会やコンテンツなどを共有し、政府一体となり訪日の魅力を海外に発信していく。

 「ビザ要件の緩和などによる訪日旅行の促進」では、ビザ要件緩和のほか、3月にまとめられた観光産業政策検討会提言でも掲げられた、外国人旅行者にホテル・旅館の設備やサービスの有無などを情報提供する仕組みの導入についても盛り込まれ、今年度内に具体的方針を決め、情報提供を促進していく。また、クルーズ船の寄港促進やオープンスカイの戦略的な推進なども掲げる。

 「外国人旅行者の受入改善」のなかでは、訪日外国人旅行者に宿泊施設や食事、交通機関などの手配を行うツアーオペレーターの認証制度の導入と定着を強調。また、ムスリム旅行者への対応についても盛り込まれた。インバウンドで急成長を遂げる東南アジア市場にはムスリムも多く、その受入には食事や礼拝など宗教上の配慮が必要となる。受入環境の整備へモデル事業も実施していくという。

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