消費税外税表示を決議、防災協定の締結求める
全旅連全国大会、山梨県で開く
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長、1万5968会員)は6月12日、山梨県の甲府富士屋ホテルで第91回全旅連全国大会を開いた。大会決議では、耐震改修促進法の改正案が成立したことなどを受けて、「防災拠点となる、災害に強い宿づくりの実現」など10項目の決議案に加え、大阪府の石橋利栄氏から緊急動議が出され、「消費税の外税表示による確実な価格転嫁の実現を期す」という決議項目が追加された。
4期目となる佐藤会長は「東日本大震災の際、組合員の施設が大浴場の開放や、被災者を延べ6万泊受け入れた支援によって、厚生労働大臣や国土交通大臣からも感謝状をいただいた」とし、「南海トラフ巨大地震が発生すると死者が32万人、避難民が950万人にのぼるという試算が発表された。全旅連約1万6千会員の収容人員は150万人で約2割を受け入れることができる。いざというときに被災者の命を守れるよう、各都道府県、市町村と防災協定を結ぶことをお願いしたい」と述べた。さらに、「今国会で消費税転嫁対策特別措置法が可決され、来年4月から3年間の期間限定だが外税表示が認められる。税金は消費者が支払うもの。総額表示が義務付けられた2004年から料金交渉のなかで宿が負担させられるケースがあったが、税別料金が可能になった」と語り、今後会員と情報交換しながらさまざまな提案をしていくことを強調した。
第16回「人に優しい地域の宿づくり賞」では、厚生労働大臣賞に道後温泉旅館協同組合(愛媛県)の「赤ちゃんに優しい温泉地づくり『道後温泉赤ちゃん天国』」が受賞。全旅連会長賞にはホテルゆがふいんおきなわ(沖縄県)の「車いすの花嫁を応援するイベント『車いすの花よめ~ウェディングスペシャルコラボショー』の後援」が受賞した。全国大会終了後には甲府市湯村温泉の常盤ホテルで大懇親会が開かれた。
次回の全国大会は来年6月4日に宮城県仙台市で開く予定。宮城県の開催は91回の歴史のなかで一度もなく、初開催となる。
≪全旅連13年度総会開く≫
全旅連は全国大会に先だって、11日に石和温泉の銘石の宿かげつで2013年度通常総会を開いた。全旅連に加盟していない大手チェーンホテルは約40万室を有し、全旅連に加盟している組合員の総客室数と匹敵しており、今後加盟を呼び掛けていく。また、耐震工事の費用については、長期の超低金利の融資制度なども要求していく考えだ。耐震問題について各都道府県の窓口についての会員からの質問があり、佐藤会長は「国土交通省からは各都道府県の土木課に連絡がいっており、問い合わせてほしい」と述べた。