〈出番です〉 堀川遊覧船 船頭 武田 いさきさん
2018年10月24日(水) 配信
□船から松江の魅力PR 気配りでおもてなし
「約50分間の遊覧船は、お客様とのコミュニケーションの場。まさに一期一会です。船全体の雰囲気や空気感を大事にしています」。
そう語るのは、国宝・松江城(島根県松江市)のお堀で運航する堀川遊覧船の最年少船頭、武田さん。約3年前、船頭募集を見つけ、「変わったことにチャレンジしたい」と飛び込んだ。
研修期間を経て、初めての乗務では「顔が引きつり、足がガクガク震えていた」と振り返る。
名古屋出身で結婚を機に島根へ越してきた。都会から地方での生活に最初は少し戸惑いもあったが、松江のこと、島根のことを好きになろうと努力した。今では、「お客様に松江の良さを知ってもらいたい」と思うまでになった。
堀川遊覧船ではガイドの基本的なマニュアルはあるが、多くの船頭さんが独自色を打ち出しているのが特徴。「お客様が何を知りたがっているのか。それを察知することが大事です。インバウンドも増えてきています。カタコトでもコミュニケーションをとれば、雰囲気が変わってきますね」と話す。
船の操縦では、着岸の停船が一番難しいという。潮の流れや風を計算しながら寄せていくもので、経験がモノをいう。しかし、「今ではその停船が一番楽しい」と笑う。
「まだまだ勉強することはたくさん。私らしさを忘れず、日々取り組んでいきたいです」と意気込む。