韓国・タイ・LCCを分析、LCCは20代女性が多い(観光庁)
滞在中の情報源 スマホが急増
観光庁はこのほど、13年1―3月期の訪日外国人消費者動向調査(既報済み)のなかで、(1)今期増えた客層と旅行支出の特徴(2)LCC利用観光客の分析――の詳細について発表した。これによると、観光・レジャー目的の訪日が前年同期の1・6倍に増えた韓国は女性客が回復し、同じく1・6倍に増えたタイは、訪日リピーターが増えたことが分かった。また、滞在中の情報源はスマホが急増。LCCを利用した訪日観光客は20代女性が多く、訪問地は就航地周辺に集中している。
同期間の訪日外客数を国籍・地域別にみると、韓国が前年同期比37%増、台湾が同34%増、タイが同50%増、香港が同29%増、オーストラリアが同28%増と高い伸びを示している。なかでも、韓国とタイは観光・レジャー目的の訪日客が1・6倍と大きく増加した。
同期間の韓国の訪日観光客層をみると、「女性客」の割合は前年の46%から53%に増え、「パッケージツアーを利用した個人旅行」の割合も13%から22%に増加している。一方、「自分ひとり」での訪日観光や、「個別手配の個人旅行」の割合は前年同期に比べて減少。滞在日数では前年同期に「3日間以内」の割合が増加したが、今期も「3日間以内」が3割を占めた。日本滞在中に役立った情報源では、スマートフォンの割合が11年11%、12年24%、13年38%と年々増加している。
タイの訪日観光客層をみると、前年同期に比べ、訪日リピーターや「職場の同僚」との観光旅行、「個別手配の個人旅行」の割合が増加。滞在期間は「4―6日間」が11年の38%から12年に65%と大きく増加し、今期も引き続き65%を占めている。日本滞在中に役立った情報源ではパソコンの割合が減少し、スマートフォンの割合が増加した。
LCCでは、複数社が日本との間を運航している韓国と台湾を分析。LCC利用客とその他航空会社利用客の航空運賃は韓国・台湾ともにLCC利用客の方が1万円程度低い。LCC利用客の来訪目的は「観光・レジャー」が7割以上だ。
韓国の観光客をみると、LCC利用観光客は「女性20代」の割合が多く、男女とも「40歳以上」の割合が少ない。訪日回数は「1回目」の割合が4割近くと多い。LCC利用観光客はその他航空会社利用の観光客に比べ団体ツアーの割合が少なく、初来訪の観光客でも個人旅行の割合が7割を超える。訪問地は、LCCが就航する大阪府や福岡県への訪問率が高い。旅行満足度は「大変満足」「満足」で8割を占め、LCCとその他の航空会社との間に大差はない。
個別手配観光客の1人当たり旅行中支出額は、LCC利用客で平均5・8万円、その他航空会社利用の観光客で平均8・2万円と、2万5千円近くの差が出た。費目別にみると宿泊費や飲食代、買物代などすべての費目でLCC利用観光客の方が低い。とくに買物代で差が大きく、その他航空会社利用観光客に比べ、1・0万円低い。
台湾は、LCC利用観光客は30代以下の女性の割合が多く、全体の5割を超える。LCC利用観光客は団体ツアーの割合が1割未満と非常に低い。初来訪でもLCC利用観光客の96%が個人旅行。訪問地は、東京都、京都府、大阪府とその周辺都道府県に集中。個別手配観光客の1人当たり旅行中支出額は、LCC利用客で平均9・3万円、その他航空会社利用の観光客で平均11・6万円。費目別にみると宿泊費や飲食代、交通費ではLCC利用客とその他航空会社利用客で大きな差はないが、買物代で1・7万円の差が出ている。