中小へ情報還元を、越智新事務局長が会見(JATA)
日本旅行業協会(JATA)は7月3日、定例会見を開き、6月19日の今年度総会で理事・事務局長に選任された越智良典氏が就任に対する所感を述べた。越智事務局長は中小企業の会員への情報還元やメディアへの情報発信に注力していくことを語った。
日本全体の観光については、近畿日本ツーリスト時代にグローバル戦略を担当していたことなどを踏まえ、国家ブランド指標を示しながら見解を述べた。国家ブランド指標の全体で日本は5位、観光項目は8位となっているが、隣の韓国は32位から順位を上げるため、観光戦略に韓流スターを起用するなど意識的な戦略を行っているとし、「日本もオールジャパンで戦わないと世界のブランド競争に負けてしまう」と危機感を示した。
JATAの事務局長としては「観光の裾野が広がっているなかで、経済界や学界など連携の枠を広げ、観光のリーダーシップを旅行会社が取れるようにするのが夢だ」と想いを述べた。
また、就任前の2年間はKNT子会社の社長を務めた経験から、「非常に個性ある中小の企業が専門分野でしっかりお客様を握っていると実感した」と語り、「JATAの会員も大手もあれば中小もあり、多様性があるのが日本の旅行業界の強みだ」と語った。そのため、「委員会など人を出せるのは大手で、情報が大手に還元されがちだが、今後は『中小』『全国』をキーワードに会員に広く情報やサービスを還元していかなければならない」と強調。「PRと2つのMR、メンバーシップリレーションとメディアとのリレーションシップを大切にしていきたい」と意気込んだ。
一方、国内旅行については自身の考えとして、既存旅行会社が持つ強みとして鉄道会社との関係をあげ、「できることはまだある。宿泊旅行の促進に向けJATAで『もう一泊、もう一度』キャンペーンを実施しているが、泊まるだけでは旅行会社の特徴が出しにくいのであれば、違ったキャンペーンもあるのではないか」と語った。