官民一堂に会し「北海道を観光で盛り上げる会」を開く
2018年10月25日(木) 配信
9月に発生した北海道胆振東部地震からの復興を目指すため、観光関係団体・企業、北海道観光振興機構は10月24日(木)に東京都内で「北海道を観光で盛り上げる会」を開いた。石井啓一国土交通大臣や、二階俊博自由民主党幹事長(全国旅行業協会会長)ら約20人の国会議員を含め、関係者約150人が集結。官民一丸となって、北海道の観光復興に全力を尽くすことを確認した。
日本観光振興協会の山西健一郎会長は主催者を代表し、「インバウンドや国内においても北海道の観光が日本の観光振興に与える影響は非常に大きい。我われ観光業界は被災地を観光の力で復興するという信念を持って、北海道の観光支援に皆で連携し、強力に取り組んでいきたい」と力を込めた。
地元からは北海道観光振興機構の堰八義博会長が、9月末時点で道庁が発表した地震による宿泊キャンセルは114万9千人泊、消費に与える影響は356億円に上ることを報告。一方で、10月1日からスタートした北海道ふっこう割に触れ、「需要喚起の原動力になっている。ふっこう割を呼び水に、にぎわいが戻ることを期待し、風評被害の払拭に向けて国内外に正確な情報発信をしていく。2020年の来道外国人観光客500万人の目標達成に向け、震災からの早期復興を目指す」と意気込んだ。
来賓の石井国交大臣は「日本有数の観光地である北海道は、訪日外国人旅行者の延べ宿泊者数が全国第3位。観光需要の早期回復をはかる必要がある」とし、「10月26―27日に中国で開催の日中韓観光大臣会合の場でも、北海道観光を勧めたい」と述べた。
二階幹事長は「北海道で観光の熱を上げていただくことが、日本の観光をいい方向に導くことになる」とエールを送り、「ここに集まった皆さんは専門家。本気で取り組まなければ、その背後にいる人たちが困ってしまう」と活を入れた。さらには、菅義偉官房長官も駆けつけ、「宿泊の割引も始まった。ようやく底を打ったと思う。ここに皆さんが一気に加勢していただければ、対前年ではるかにプラスになるのではないか」と述べ、会場を盛り上げた。
会には各観光関係団体や大手旅行会社、航空会社、鉄道会社のトップらが集い、それぞれの立場でできる支援への決意を新たにした。
これらを受けて、北海道の高橋はるみ知事は、ふっこう割は国の予備費と道の拠出合わせて83億円で展開されることに対し、「これまでの例から見ても、1都道府県への国の支援としては破格の金額と感謝している」とした。また、交通事業者や旅行会社が独自の支援割やキャンペーンを展開していることにも謝意を表明。「我われは復旧復興に向けてのきっかけをいただいたのちは、自助努力として観光資源に磨きをかけて、おもてなしの心をさらにレベルアップしてお客様をお迎えしていきたい。観光立国日本のなかで、北海道の役割をしっかり果たしていくことが、皆さんへの恩返しになる」と前を向くことを誓った。