19年版アニメ聖地発表 「宇宙よりも遠い場所」など22作品を新たに認定
2018年10月30日(火) 配信
アニメツーリズム協会は10月29日(月)、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2019年版)」を発表した。今回は88作品の舞台やモデルとなった98の地域、記念館などの関連24施設、関連2イベントを認定。新規作品として、「宇宙よりも遠い場所」(群馬県館林市)や「三ツ星カラーズ」など新たに22作品が聖地に加わった。併せて公式キャラクターも発表。目にした人が個々に楽しめるよう名前などの設定はせず、今後の盛り上がりの中で自然に名称などが生まれていくことを狙う。
88カ所は、全世界のアニメファンを対象に18年6~8月実施した「アニメ聖地Web投票」の結果をベースに、著作権者やアニメ聖地となる地方自治体、観光協会などと協議し決定。今回は約3万票以上の投票があり、そのうち75%が海外からの投票だった。
協会は現在、全国で「アニメスポット」の設営を進めており、20カ所以上にプレートや御朱印スタンプを設置。同地を拠点に地域と連携し、今後の展開を進める。またJTBなどの会員旅行会社が販売を担当する、聖地を巡るツアー造成もスタートした。現地オプションツアーや限定グッズやイベントなど付加価値を加えた内容になる予定だ。関係者は「アニメの舞台がそのまま存在することを知らない外国人旅行者が多いので、情報発信が重要になる。日本人にはライトなファンやファミリー層に、それぞれの地域に出かけるきっかけにしていただきたい」と聖地巡礼の今後の展開を語った。併せて現地でアニメを活用したサービスや体験などが楽しめるよう地域、企業と権利者の橋渡しを行い、ファンが満足できる環境づくりにも注力する。
同日東京都内で行われた発表会でアニメツーリズム協会の角川歴彦理事長は、「今回新たに22作品が加わった。これは、日本アニメの新作がリアルタイムで世界に広がっていることの証明。今回選定の88カ所をさらに活性化させていくためには、地元自治体や住人の協力、原作と地元のウィンウィンの関係づくり、産業界の支援が必要になる」とコメント。観光庁の観光地域振興部観光資源課、地域資源活用推進室の山田亜紀子室長は、「アニメの人を動かす力は近年、国内外から大きな注目を集めている。アニメファンによる聖地巡礼といった旅は、作品に対するファンの愛から生まれるまったく新しい旅行需要であり、近年増加している訪日外国人にも着実に浸透している。地域がこれを機会に観光振興を進めるためには、新しい旅行需要に対する市場研究と試行錯誤が必要になる」と語った。