学生13人が参加、初の合同インターンシップ(JATA)
日本旅行業協会(JATA)は、8月19―29日に初の「合同インターンシップ」を実施した。観光庁主導のインターンシップ事業に協力したもので、JATA会員15社が留学生を含む学生13人を受け入れた。研修を終えた学生たちからは「自分に足りないことが分かった」などの声があり、有意義な経験だったことがうかがえた。
合同インターンシップは初日、オリエンテーションとして、JATAの越智良典事務局長と日本旅行の矢嶋敏朗広報室長が観光産業、旅行産業について講演した。また、2日目は企業での実習を前にビジネスマナー研修を行った。
現場体験は6日間の日程で、大手や中小など業態が異なる企業を1人2社ずつ体験。学生はカウンター業務から営業同行、旅行者の案内などを行い、旅行業のさまざまな実務を学んだ。
8月29日の最終日はインターンシップの総括を実施。「若者を旅行に行かせるには?」を議題にしたグループ討論や旅行会社の若手社員が業界の魅力を語る講演などを行った。
そのなかで、2010年入社の近畿日本ツーリストグローバルビジネス支店の中村潤さんが「私が思う旅行業界について」と題し講演した。中村さんは自分の経験を踏まえながら、「学生のうちにやっておくべきこと」として(1)勉強(2)情報に触れる(3)色々な人と話す――をあげ、「旅行を売るというのは高い教養が必要」と強調した。また、「本音」としては「たくさん遊ぶ」「イベントの仕切りをやる(幹事)」「ノーと言わない人になる(選択肢をたくさん持つ)」などもあげ、さまざまな経験が社会に出てから役立つことをアドバイスした。
すべてのプログラムを終えた学生は「旅行会社は均一なイメージがあったが、会社によってまったく違うと学んだ」と業界のイメージが変わったことや「知らないことが多いことを知った」「幅広い知識が必要だと実感した」など自分自身に対し、改めて気付いたことなどを感想として語った。なかには「この経験を生かし、ぜひ旅行業に進みたい」という力強い声もあがった。
最後に、JATAの越智事務局長は「これまでの旅行会社に対するイメージと違う部分も同じ部分もあったと思うが、研修を1つのきっかけにしてほしい。さまざまな会社があるので、さらに業界の勉強をしてもらい、全員が旅行会社に入って仲間になってくれたらうれしい」とエールを送った。
JATAは今回の研修を踏まえ、今後も合同インターンシップを実施していく意向だ。