8月の過去最高を更新、17%増で、増加率は鈍化、JNTO訪日外客数
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)がこのほど発表した8月の訪日外客数推計値は、前年同月比17・1%増の90万6700人。8月として過去最高だった2010年の80万3千人を大きく上回ったが、前年対比の増加率は鈍化した。
東アジア市場や欧米市場の夏の旅行シーズンに合わせたプロモーションが奏功し、円高の是正が旅行費用に割安感を与え、需要喚起につながった。市場別では台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、フランスが8月として過去最高を更新。とくに、7月からビザ免除となったタイが同102・3%増、マレーシアが同42・2%増と一段と高い伸率を示した。タイは17カ月連続で、マレーシアは7カ月連続で毎月の過去最高を更新。同46・4%増の6千人となったベトナムは、20カ月連続で毎月の過去最高を更新している。
市場ごとにみると、韓国は同6・9%増の21万5600人と伸率が鈍化。放射能汚染の問題が大きく報道された影響が出ている。
中国は同14・6%減の16万3千人と、今年最も多い訪日数を記録。とくに個人旅行の回復が顕著で全体としても、回復の兆しが見えてきた。
台湾は同51・5%増の19万4900人と、8月の過去最高を更新。7カ月連続で毎月の過去最高を更新中だ。LCCの新規就航やチャーター便の運航など航空座席の供給拡大が続くが、座席需要の逼迫により、運賃値上げの懸念が出ている。
同じく8月の過去最高を更新し、7カ月連続で毎月の過去最高を更新中の香港は、同61・9%増の7万1800人。札幌行きの増便や円高の是正によるショッピングやテーマパーク目的の家族旅行が増えている。航空座席や宿泊ホテルの確保が困難になっており、料金が上昇しているが、訪日人気は高く完売しているという。
なお、出国日本人数は同6・2%減の184万2千人と、7カ月連続で前年同月を下回った。