ONSEN・ガストロノミーウォーキング in 上天草温泉 新しいスタイルのツーリズム 定着へ
2018年11月2日(金)配信
熊本県上天草市(堀江隆臣市長)は10月21日、「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin上天草温泉」(特別協力=ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構)を実施した。歩くことで、地域特有の「食」「自然」「文化・歴史」を一度に体験できる〝新しいスタイル〟のツーリズムとして、昨年に続き2回目の開催。同市健康福祉部は、参加者に健康への意識を高めるため、ゴール地点に血管年齢や、血圧測定などをチェックできるテントブースを設置。市民や参加者にも、生活習慣病予防に役立つ特定健診受診率の増加にもつなげたい考えだ。
□楽しく遊びながら健康づくり
上天草市は、〝楽しく遊びながら健康づくり〟をコンセプトに、市民の健康増進と健康志向の高い観光客の誘致に取り組んでいる。楽しみながら歩き、地元の食材を堪能し、温泉に浸かる「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」は市の方向性と合致している。
堀江市長は同イベントの開会式で「ウォーキング、グルメ、温泉などを複合的に楽しめる新しいスタイルのツーリズムは全国的に広がっていくと思う。昨年以上に地元スタッフもおもてなしに力を入れている。上天草市のすべてを満喫してほしい」と、市や県外から訪れた多くの参加者に魅力をアピールした。
今年は参加定員の240人を超える応募があり、早くも定着している。コースは8㌔。5カ所のチェックポイントがあり、スタンプを押してもらう。当日はさわやかな秋晴れに恵まれ、参加した老若男女は展望台の絶景ポイントや、雲仙・島原を一望できる海岸線など風光明媚な自然を体感した。ゆっくり、楽しく歩きながら、地元の食材を活用した食も提供された。「真鯛のカルパッチョサラダ」に始まり、「車エビの塩ボイル・タコステーキ」、「天草大王炭火焼」、「浜鯛飯とあおさ味噌汁」などを用意。さらにユニークな点は、アルコールも楽しめることだ。ビールやワイン、焼酎、日本酒もそろえ、地元の食材を一層引き立てた。ゴール地点では、デザートとしてレモンケーキも振る舞われた。
完歩すると、市内の温泉健康増進施設「スパ・タラソ天草」や、ホテル・旅館8施設で利用できる入浴券がもらえ、参加者はゴール後に温泉も堪能した。
同市は17年度から、民間活力開発機構(里敏行理事長)と連携し、3カ年計画で「複合型スポーツ&ヘルスツーリズム事業」を展開している。上天草総合病院と協力し、人間ドックプログラムを通じた観光客の誘致や、地域の食材を使った健康メニューの開発にも取り組んでいる。
また・スパ・タラソ天草では、身体の運動と脳トレを組み合わせたライフキネティックを実施し、市民の認知機能の向上など、健康増進を積極的に推進している。
健康福祉部健康づくり推進課の益田佳世係長と、林笑佳さんは「上天草市には、年間を通じてマラソン大会やサイクリングフェスタなど、さまざまな体験型のイベントが行われている。楽しみながら健康を意識してもらえるきっかけになれば」と話す。今回のウォーキングにもブースを設置し、多種多様な健康チェックを実施した。市民の健康増進に加え、健康志向の高い観光客との交流人口の拡大に寄与していきたい考えだ。