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国内事業を分社化、リスク負い、企画旅行に注力(JTB)

2013年11月1日
編集部

田川博己社長(中央)

JTB(田川博己社長)はこのほど、交流文化事業の完成を目指し、同社の国内商品事業本部を分社化し、主力商品のエースJTBをはじめとするJTBグループ全体の国内旅行に関する仕入・商品企画・商品造成を目的とする100%出資会社の「株式会社JTB国内旅行企画」を新たに設立することを発表した。運営開始は2014年4月1日。同社社長は現時点で未定だが、年内に決める方針だ。

JTB国内旅行会社を独立会社化することで意思決定の迅速化や財務基盤強化、販売拡大や事業領域を拡大し、国内旅行の新しい需要の創造と活性化、インバウンドや交流文化事業による国内旅行市場のさらなる拡大を目指す。新会社は売上高で2014年度目標3千億円を掲げる。社員数は約1千人。

10月15日の会見で田川社長は「06年に分社化を行ったが、今回、最後の砦である国内事業を外に出すことにした。これまでの分社化や改革のなかで最も大きな改革になる。国内売上高6千億円のうち、半分の3千億円を扱うので、失敗は許されない。覚悟を持って進む。2020年度には売上高5千億円を目指す」と語った。

海外旅行は宿泊や交通を買い取る企画旅行がほとんどだが、国内は宿泊や交通を手配するだけの手配旅行が多い。田川社長は「国内でもリスクを負い、積極的に企画商品を造成しなくてはいけない。手配旅行は安売り競争になり、ネットには勝てない」と説明。今後、JTB国内旅行企画では、企画旅行の商品造成に注力していく。

JTBグループは06年の分社化により、地域会社を設立。国内商品事業は大きく7部門あり、各地域会社に仕入れ造成が分散していたが、今年4月に国内商品事業部を発足し、全国の仕入れ造成を一本化。国内の構造改革が加速したことを受け、このタイミングでの分社化の決断に至った。田川社長は一本化について「例えば九州内で発と受を行うなら九州商品事業部でよいが、全国、そして世界に売っていくためには一本化した方がよい。地域の資源を掘り起こすのは地方だが、戦略論や方針論は先に中央で決める。中央で考え、地方で造る」と改めて同社の考え方を説明した。

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