10月、ピンクリボン月間、乳がんテーマに温泉地でイベント
湯谷、指宿、武雄で開催
乳がん検診の早期受診と治療の大切さを訴える10月の「ピンクリボン月間」に、全国の温泉地でさまざまなイベントが行われた。
1日は愛知県新城市の湯谷温泉で、9軒の旅館などが中心になり「ピンクリボンの日」を初めて開催した。同温泉の旅館では乳がん手術の傷跡を気にして温泉に行けない女性のために、洗い場の仕切や脱衣所の目隠しなど工夫し、旅行が楽しめる環境づくりを進めている。
昨年7月には、同温泉女将会が乳がん経験者に優しい「ピンクリボンのお宿ネットワーク」(事務局・旅行新聞新社)にも加盟し、活動内容を全国に発信している。
この日は乳がん経験者や家族、友人などを対象に、1日湯谷温泉を無料開放。午前11時から午後4時まで無料参加の湯めぐりや人工乳房装着入浴体験、ウイッグ相談会、保険相談会、看護士によるアロマリンパドレナージ体験、美容師によるヘッドスパなど実施。平日の温泉街が約200人の女性たちでにぎわった。
各旅館では玄関や館内にピンクリボンやハート形の風船を飾り、特製のオリジナルランチも用意。乳房再建体験者を囲むお話し会も開いた。
各旅館を巡るスタンプラリーに参加した静岡県の夫婦は、「初めて温泉に来ました。とても楽しかった。また来たい」と嬉しそうに話した。
一方、鹿児島県の指宿温泉では、指宿の素材を使い、女性の心と体の美を追求する活動を行うグループ「美塾篤姫」が10月8日、指宿市内で乳がんをテーマにフォーラムを開いた。乳がん経験者の講演やパネルディスカッションを行い、乳がんへの知識を深めるとともに、乳がん経験者に優しい温泉地・指宿の取り組みなどについて参加者と意見を交わした。
また、佐賀県武雄温泉の旅館・京都屋では10月15日を女性限定の貸切宿にする「ピンクリボンの日」を設定。男女の大浴場を開放し、食事会やミニコンサートを開催。3人の乳がん経験者を交えた茶話会も開き、30人が参加した。同館では6月にも2回同様の会を開いている。女将の前田明子さんは「来年は年4回開く予定です。武雄温泉全体に広がるようにしたい」と話していた。