海外ステイ147万人、国内ステイにも期待高まる(ロングステイ財団調査)
ロングステイ財団(舩山龍二会長)は10月16日、「ロングステイ調査統計2013」を発表した。同財団独自の推計で、2週間以上滞在する「海外ロングステイ」の2012年人口は147万人(11年141万6千人)となった。近年のロングステイ市場は、シニアに加え、30―40代の若年層が関心を示しているほか、1週間以上の滞在か繰り返し滞在を定義としている「国内ロングステイ」への期待感が高まっているという。
同日、報道関係者を対象に開いた発表会であいさつに立った竹内征司理事長は「長年、調査を行っているとそこからさまざまなことを読み取ることができる。20年前のロングステイ先はハワイやヨーロッパが人気だったが、今は東南アジアが優勢だ。我われの宣伝効果だと思っていたが、ロングステイに関心のない一般の人への調査では20年前と変わっていない。まだまだ我われの努力不足だと私なりに解釈している」と分析した。
また、弓野克彦理事・事務局長と山田美鈴主席研究員が登壇し、最新のロングステイ動向や財団の今後の展望などを語った。そのなかで、弓野理事・事務局長は「旅行産業は経済状況などに左右されやすいが、ロングステイ市場は実績をみると影響なく順調に伸びている。市場は安定感があり、ますます大きくなると考えている」と市場の成長に期待感を示した。
トレンドとしては、グローバル化を背景に若年層やファミリー層の関心度が上がったことや、アクティブシニアの増加などで「ロングステイ市場の第2次ブームが到来したといわれている」と紹介。国内ロングステイについても、長期滞在型の旅行商品の見直しの動きがあるなど期待が高まっているとした。
一方、国内ロングステイは「1泊2日の旅行が主流だったため、施設が不足している」ことが課題だという。今後は、国内長期滞在施設の調査や国内ロングステイの基準づくり、新規サービスの開発に取り組む。
将来的には、これまでの海外ロングステイと10年から調査を開始した国内ロングステイに加え、インバウンドロングステイを含めた「マルチロングステイ」を推進していく方針で、日本の国際化と地域活性化に貢献していくことを目指す。
国内ロングステイに関する調査では、人気のステイ先は4年連続で1位が沖縄、2位が北海道、3位が京都、4位が長野だった。滞在施設への希望は、海外では常識だという1部屋単位の料金や週単位・月単位の料金提示などがあがった。